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VCO内蔵の広帯域マイクロ波シンセサイザーADI ADF5610

アナログ・デバイセズ(ADI)は、シングルチップで55M〜15GHzのRF出力が可能な広帯域シンセサイザー「ADF5610」を発表した。電圧制御発振器を内蔵し、消費電力と実装面積の削減を可能にする。

» 2018年07月27日 09時00分 公開
[EDN Japan]

RF出力範囲55M〜15GHz

 アナログ・デバイセズ(ADI)は2018年7月、シングルチップの広帯域シンセサイザー「ADF5610」を発表した。電圧制御発振器(VCO)を内蔵し、消費電力と実装面積の削減を可能にする。現在サンプル出荷中で、量産出荷は同年8月を予定。1000個購入時の単価は47.98米ドルだ。

VCO内蔵広帯域シンセサイザー「ADF5610」イメージ

 ADF5610は独自のSiGe BiCMOSプロセスを採用し、55M〜15GHzのRF出力が可能だ。VCO位相ノイズ特性は動作周波数10GHzで−114dBc/Hz(100kHzオフセット)、−165dBc/Hz(100MHzオフセット)。正規化位相ノイズフロアは−229dBc/Hzだ。

 フェーズロックループを内蔵し、高速周波数ホッピングや50マイクロ秒未満の高速ロックが可能。位相検出器のスプリアスレベルは、標準で−45dBc未満、RF出力レベルは6dBmだ。

 パッケージは7×7mmの48ピンLFCSPで、公称電圧3.3Vのアナログおよびデジタル用電源と、5VのチャージポンプおよびVCO用電源で動作し、1.8Vロジックレベルとの互換性もある。ハードウェアとソフトウェアによるパワーダウンモードも搭載。動作範囲は−40〜85℃だ。

 外部ループフィルターや外部レファレンスと使用すると、フラクショナルN、またはインテジャーN PLL周波数シンセサイザーの実装が可能。設計評価ツール「ADIsimPLL」を利用して、位相ノイズ、ロック時間、ジッタなどが評価できる。

 航空宇宙、防衛、ワイヤレスインフラストラクチャ、マイクロ波ポイントツーポイントリンク、電子テスト計測、衛星通信端末など、多様な市場での利用を見込む。

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