アナログ・デバイセズ(ADI)は、電圧制御発振器(VCO)を内蔵した広帯域シンセサイザー「ADF4371」を発表した。開発時に厳しい条件が求められる、次世代RFやマイクロ波システムの設計に適している。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2018年6月、電圧制御発振器(VCO)を内蔵した広帯域シンセサイザー「ADF4371」を発表した。航空宇宙や通信インフラストラクチャなど、次世代製品の開発時に厳しい条件が求められるRFやマイクロ波システムの設計に適している。現在サンプル出荷中で、同年9月から量産出荷する。
ADF4371は、電源デカップリング、LDOレギュレーター、高調波トラッキングフィルターを内蔵。基準周波数は最大600MHzで、RF出力周波数範囲が62M〜32GHzと広い。位相周波数検出器(PFD)動作は最大250MHzとなっている。
正規化位相ノイズフロア(FOM)が−234dBc/Hz、VCO位相ノイズは−134dBc/Hzと低く、最小限の合成位相ノイズ(ジッタ)は10GHzで36フェムト秒未満。積算実効値ジッタは1k〜100MHzで40フェムト秒未満だ。レファレンススプリアスは−100dBc未満、整数境界スプリアスは−90dBcとなっている。
パッケージは7×7mmの48ピンLGAで提供され、アナログ電源とデジタル電源は3.3V、VCO電源は5V以上。−40〜+105℃で周波数ロックを維持する。
ADF4371と、外部のループフィルターやレファレンス源を合わせて使用すると、39ビットのフラクショナルNまたはインテジャーN PLL周波数シンセサイザーを実装できる。
なお、ADF4371の全周波数範囲(最大32GHz)を必要としないアプリケーション向けに、最大16GHzで動作する「ADF4372」もサンプル供給中で、同年10月に量産出荷する。
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