設計支援ソフトウェアに部品選定の2ツールを追加:村田製作所 SimSurfing追加ツール
村田製作所は、電源回路の設計支援ソフトウェア「SimSurfing」に「DC-DCコンバーター設計向けインダクター、コンデンサー選択支援ツール」と「ノイズフィルター選択支援ツール」を追加する。
村田製作所は2018年8月、電源回路の設計支援ソフトウェア「SimSurfing(シムサーフィン)」に、「DC-DCコンバーター設計向けインダクター、コンデンサー選択支援ツール(DC-DCコンバーターツール)」と「ノイズフィルター選択支援ツール(ノイズフィルターツール)」を追加すると発表した。
DC-DCコンバーターツールの画面
SimSurfingは、同社のWebサイトから無料で利用できるオンライン設計支援ツール。コンデンサーやインダクター、EMI除去フィルターなどの製品について、インピーダンス特性、伝送特性、反射特性といった基本特性をグラフ表示で確認しつつ、最適なデバイスを選択できる。オンラインツールのため、同社の新しい部品の特性などがすぐにライブラリ化され、今回追加する2つのツールにも反映される。
DC-DCコンバーターツールは、DC-DCコンバーターの高速シミュレーション機能を備える。これまでDC-DCコンバーターの効率、リップル電流、負荷応答特性の解析には、専用ソフトと長い時間を必要としていたが、Webブラウザから入出力電圧、スイッチング周波数、インダクタンス、静電容量など最低限のパラメータを入力することで、それらを高速に解析、表示できる。同ツールは既に提供を開始しており、負荷応答特性の解析機能は2019年に追加予定だ。
ノイズフィルターツールは、さまざまな特性を有するインダクター、コンデンサー、フェライトビーズ、コモンモードチョークコイルの中から自由に組み合わせ、希望の周波数を対象とするノイズフィルター回路の特性や、コモンモード、ディファレンシャルモードの両方の損失を分析できる。また、車載用部品のノイズから対象回路を保護する際に用いる国際規格「CISPR25」に対応した回路設計も支援する。同ツールは、2018年夏に提供予定だ。
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