今回は、飛行機に登場する際の保安検査後に動かなくなってしまった修理工具(LED付きルーペとテスター)の修理の様子を紹介する。急いでいるときは、機内に手荷物として持ち込みたいが、やはり預ける方が賢明のようだ――。
先日、急ぎの出張修理依頼があり、工具をカバンに入れて飛行機に搭乗した。急ぎの出張は、とにかく早く駆け付ける必要があり、工具を機内に持ち込むことがよくある。地方空港の保安検査では問題はなく工具を機内に持ち込めたが、帰りの羽田空港では保安検査で工具が引っ掛かった。カバンに入れていた工具は小型の圧着工具やプラスドライバーと電池を使ったルーペやテスターだった。危険物でもないのになぜ検査に引っ掛かったのか検査員に聞いたら「15cmを超えた金属は検査対象」ということだった。カバンには15cmを超えた金属の折りたたみ傘も入っていたがこちらはノーチェックだった。単純に、「検査員が持ち込んだ工具を理解していないのでは?」と思った。
自宅に帰って工具を使ってみたら、電池が入ったルーペやテスターが動作しなかった。どんな検査をしているか分からないが『基準を超えたものは厳しく確認する』という検査方針の下で、電池が検査対象になったようだ。それはともかくとして、テスターが壊れたままでは仕事に支障がある。とりあえず、同等品のテスターを安価な中国のサイトで手配しつつ、壊れたルーペやテスターの修理にトライした。
まずはLEDライト付きのルーペの写真を図1に示す。
図1左側がルーペで右側は皮製のケースだ。このルーペは海外のサイトで1個150円の価格で販売されていたものだ。このルーペには2つの倍率のレンズと照明があり、現場で暗い場所にある部品の型名を読み取るには最適だ。弱点といえば、なかなか入手しにくい電池であるボタン電池「2016」2個で動作する点くらいだ。さて修理に戻ろう。
電池は図1の下側に実装されていて、つまみを開けたらボタン電池が2個直列に接続されていた。しかし電池1個の電圧が0.5Vしかなかった。電池の短絡試験をやったか、検査時にライトを点灯したまま革のケースに入れたのだろう。また保安検査ではリチウム電池は要注意の部品のはずだ。劣化した電池を正規品に交換したら正常にLEDが点灯した。
LED付きルーペの修理はこれで完了だ。
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