集積化は半導体エレクトロニクスの基本であり、類似機能や補完機能を単一デバイスに統合する技術が、業界全体に活気をもたらします。パッケージング、ウエハー処理、リソグラフィの進歩と相まって、フィーチャ密度も上昇し続けており、物理的サイズと電力の両面においてより効率の良いソリューションの提供につながります。
集積化は半導体エレクトロニクスの基本であり、類似機能や補完機能を単一デバイスに統合する技術が、業界全体に活気をもたらします。パッケージング、ウエハー処理、リソグラフィの進歩と相まって、フィーチャ密度も上昇し続けており、物理的サイズと電力の両面においてより効率の良いソリューションの提供につながります。
電力密度は製品開発者にとって常に重要な課題ですが、システムバスよりもはるかに低い電圧が必要な場合も多く、各電圧でより大きな電流が求められています。そのような要求が、48Vから1Vに電圧を変換できる小型の降圧レギュレーターの需要を生んでいます。こうした降圧レギュレーターは1つのステージに複数のアンプを搭載しているため、負荷ポイントの近くで使用でき、それでもなお95%以上の効率を実現します。
高度な集積化と電力変換の組み合わせは、通常は両者に使用されるプロセスに完全な互換性がないため、伝統的にあまり相性が良くありません。比較的狭い入力電圧範囲から低レベルの電力を供給するDC-DCレギュレーターや、低い電力効率を無視できる場合など、ある程度の妥協を許容できるケースもあります。残念ながらシステム開発者にとって、このような妥協は受け入れ難くなってきています。
現在、高度な集積化を達成しているパワーレギュレーターがいくつかありますが、一般的に性能と効率の点で十分とはいえません。妥協が許されないアプリケーションが増えていますが、これは集積化のレベルが外部MOSFET用コントローラーとローサイド/ハイサイドドライバに限定されているためと考えられます。しかし、理想的なソリューションは、小型で効率の良い1つのデバイスに全ての降圧コンバーターの機能を集積化し、コントローラー、ドライバ、MOSFETを統合してシステム全体のメリットを高めることです。
集積化が理にかなっている理由はたくさんあります。マイクロコントローラーなどのデジタルまたはミックスドシグナルソリューションでは、集積化によって、通常は幅広いアプリケーションで必要とされる多数の機能が統合されます。それらを1つのデバイスにまとめて搭載すると、一般に総BOM(Bill of Material)コストは低下し、多くの機器メーカーが興味を示すソリューションが得られます。この場合、集積化は使用する半導体製造プロセスの進歩によって可能となります。
パワーデバイスでは、集積化によってコスト面でのメリットも得られますが、さらに大きなインパクトをもたらします。例えば、降圧変換で使用する主要コンポーネント間の緊密な統合により、直接的な効率向上を実現し、BOMコストが低下するだけでなく、システムの省電力化にもつながります。
効率が向上することによって、機器メーカーは全体的なシステム冷却要件を緩和することもできます。これにより、テレコムおよびネットワーク機器、基地局、ロボットを含む産業オートメーション、家電製品および電動工具、自動販売機、ゲーム機および金融機器(ATM)、さらにポータブル機器の充電に使用する電源など、多数のアプリケーションで総所有コストを直接的に低減できます。
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