図3にACアダプターを接続するDCジャックの拡大写真を示す。
図3はDCジャックの内部をライトを当てて撮影したものだ。この時、しっかり内部を確認しておけばすぐに原因が分かったのだが、筆者は重要な点を見過ごしてしまっていた。
不具合の原因は図3にしっかり写っている。読者はもう気づいたと思う。図4に、これと類似のDCジャックの資料を示す。
DCジャックは通常、プラグを差した状態だと中央の端子と横の端子の接続が切れ、プラグを抜くと内部のバネによって中央の端子と横の端子が接続される。横の端子はこの機器ではマイナス電源に使用されていた。しかし、不良の機器のDCジャックはプラグを抜いても中央の端子と横の端子がつながらず、電源が入らなかった。
基板のジャックの臭いをかいだところ、電解液のような臭いがした。そこで、筆者は過去の修理の経験から、ジャックに腐食性の液体が入り込むことで接点の表面が酸化し、接触不良になって機器が動作しないのだ、と早合点してしまった。
従って、DCジャックを交換すれば治ると考えたが、代替品のDCジャックが手元になかったため、DCジャックを基板から外して修理してみることにした。
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