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電磁気学入門(4)コアレス〜相互インダクタンス損失と渦電流損失 DC-DCコンバーター活用講座(47)(1/2 ページ)

電磁気学入門講座。今回は「相互インダクタンス損失」と「渦電流損失」について説明していきます。

» 2021年12月01日 10時00分 公開

相互インダクタンス損失

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 理想的なインダクターは、時間を伴ってエネルギーを蓄積することはありません。流入した全てのエネルギーは、全て流出します。

 多くの場合、巻き線間の磁気結合が必要とされます。例えば、トランスの一次側と二次側です。しかし、無用な結合インダクタンスは、入力および出力からのエネルギーのいくらかが転換することで、電力損失となります。トランスでは、これらの損失は磁化または漏れ損失と呼ばれ、インダクターでは相互インダクタンスと呼ばれますが、どちらも同じメカニズムです。

 相互インダクタンスLMは、以下の式1で表すことができます。

式1:相互インダクタンス。Kは2つの結合インダクタンスL1とL2の結合係数
(例:トランスの一次巻き線と二次巻き線間や、近接する2つのインダクター間)

 この相互インダクタンスによる損失は、流れる電流の二乗に依存するので、ピーク損失は、以下の関係式によるピーク電流から導出されます。

式2:相互インダクタンスによるピーク損失

実用的ヒント

実用的ヒント:無用な結合を避けるため、実装の際には2つのインダクターを近づけすぎないことが重要です。2つのインダクターを同じPCB領域に実装しなければならない場合は、相互インダクタンスを低減するために直角に配置する必要があります。(これにより、結合係数Kは大幅に減少する。図1参照)

図1:相互インダクタンスを削減するインダクターの配置

 2つのインダクターを上図右のように配置することで結合が低減され、相互インダクタンス損失が低減する。

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