本連載は初めてオシロスコープを使う人を対象にその基本的な使い方や使用上の注意点を解説していく。今回は、オシロスコープを安全に使うために注意すべき点と、単発現象の測定方法について説明する。
本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。
多くの高周波測定器と同じように、オシロスコープ入力端子の外側の金属とオシロスコープのケースは導通している。
オシロスコープに接続される受動電圧プローブのアースリードは、BNC端子の外側に接続されている。このため、プローブのグランドリードとケースは同じ電圧になる。
オシロスコープは安全のため接地を取って使うので、コモンモード電位を持った測定対象にグランドリードを接続するとオシロスコープを介して電流が接地に向かって流れ、測定対象やプローブの破損につながる危険がある。
また、オシロスコープを接地しないで使った場合は測定対象のコモンモード電位とオシロスコープのケース電位が同じになるため、人がケースを触れたときに感電する危険がある。
測定対象がコモンモード電位を持っている場合は、高電圧差動プローブや入力が絶縁されたオシロスコープを使用する。
受動電圧プローブを使って電源コンセントの電圧波形を測ろうとして、受動電圧プローブを壊してしまうことがある。これは電源コンセントのライン側(接地されていない側)にグランドリードを接続してしまうためである。また、オシロスコープを接地しないで使った場合は感電の危険があるので、受動電圧プローブをコンセントにつないではいけない。電源コンセントの電圧波形を観測する場合は、高電圧差動プローブを用いる。
高電圧シングルエンドプローブを使って高い電圧波形を観測する場合は、グランドリードが外れてしまうと内部抵抗を介してオシロスコープのケースに高電圧が印加される危険がある。オシロスコープが接地されていない場合は人がケースに触れたときに感電するため、必ず接地して使わなければならない。
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