DICは、リチウムイオン電池の負極用水系バインダー「WATERSOL-LB」を発表した。製造時の環境負荷が低く、充放電時の容量維持に優れる。また、電池の内部抵抗を低減できるため、さまざまな容量帯の負極材に適応する。
DICは2023年4月、リチウムイオン電池の負極用水系バインダー「WATERSOL-LB」を開発したと発表した。既にサンプルワークを開始している。
水系のWATERSOL-LBは、溶剤系と比べて製造時の環境負荷が低い。また、従来品と比べて、+45℃の高温下や−10℃の低温下における充放電時の容量維持が数倍改善している。
リチウムイオン電池の内部抵抗を低減できるため、さまざまな容量帯の負極材に適応する。これにより、リチウムイオン電池の長寿命化に寄与する。
同社は今後、日本を含めたグローバルな供給体制を確立する意向で、中国や米国、欧州地域での販売を検討している。2025年の売り上げ目標は10億円だ。
負極用バインダーは、リチウムイオン電池において性能や電極の機械強度に関わる重要な要素だ。従来の負極用バインダーは、高温や低温環境で劣化しやすく、高容量化を目的としたシリコン系活物質の膨張収縮に対応しづらいことなどが課題となっていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.