急速充電に適した1セルバッテリー保護IC:エイブリック S-82Y1Bシリーズ
エイブリックは、1セルバッテリー保護IC「S-82Y1B」シリーズを発売した。スマートフォンやウェアラブル機器などで使用し、リチウムイオンまたはリチウムポリマー二次電池パックの安全な急速充電を可能にする。
エイブリックは2022年10月、1セルバッテリー保護IC「S-82Y1B」シリーズを発売した。スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチなどで使用する、リチウムイオンまたはリチウムポリマー二次電池パックを過充電、過放電、過電流から保護し、安全な急速充電を可能にする。
1セルバッテリー保護IC「S-82Y1B」シリーズ 出所:エイブリック
充電および放電過電流検出電圧精度は±0.5mVで、従来品「S-82P1」シリーズより33%減と改善した。過電流検出のばらつきと電流検出抵抗を抑えられるため、充電電流値が増えても保護回路基板の発熱は増えず、機器の急速充電が可能になる。
また、安全な領域で異常電流を遮断するため、放電過電流保護は、放電過電流1、放電過電流2、負荷短絡の3段階とした。放電過電流2および負荷短絡の検出電圧精度は、それぞれ±1.5mV、±3mVだ。過充電検出電圧精度は±15mVで、安全性の確保とバッテリー性能の向上を両立している。
最大定格は28V、動作時消費電流は最大4.0μA、パワーダウン時消費電流は最大50nA、動作温度は−40〜+85℃。1.6×1.8×0.4mmのHSNT-6(1618)パッケージ、または1.57×1.8×0.5mmのSNT-6Aパッケージで提供する。
- パワーセービング機能搭載のバッテリー保護IC
エイブリックは、4セルおよび5セル直列用バッテリー保護IC「S-82B4/B5」「S-82C4/C5」シリーズを発売した。パワーセービング機能が機器保管時の暗電流を抑制するほか、外付け部品点数の削減と小型パッケージにより基板の小型化に貢献する。
- BS端子搭載の1セルバッテリー保護IC
エイブリックは、BS端子を備えた1セルバッテリー保護IC「S-82R1」「S-82S1」シリーズの販売を開始した。BS端子により、急速充電中でもバッテリー電圧をモニタリングできる。
- 高精度な過電流検出が可能なバッテリー保護IC
エイブリックが、2セル直列用バッテリー保護IC「S-82A2A/B」「S-82B2A/B」シリーズの販売を開始した。外付けの電流検出抵抗を用いており、精度の高い過電流検出が可能だ。
- 2段階のバッテリー保護機能装備の残量ゲージIC
Maxim Integrated Productsは、2段階のリチウムイオンバッテリー保護機能を備えた、1セル残量ゲージIC「MAX17301」「MAX17311」を発表した。深刻な障害状態時には、第2の保護ICを優先させるか、ヒューズを飛ばして障害発生を防止する。
- 16セル対応のバッテリーフロントエンドIC
ルネサス エレクトロニクスは、産業用モビリティ向け16セル対応バッテリーフロントエンドIC「ISL94216」を発売した。同社のICを組み合わせたインバーター制御向け「48Vモビリティソリューション」の提供も開始した。
- 自己放電モニタリングが可能な高精度リチウムイオン残量ゲージIC
Maxim Integrated Productsは、高精度リチウムイオン残量ゲージおよび保護回路である「MAX17320」を発表した。マルチセルバッテリーで駆動する製品の動作時間を延長し、自己放電をモニタリングできる。
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