STマイクロエレクトロニクスは、Qi対応レシーバーICおよびトランスミッターICをベースとした評価ボード「STEVAL-WLC38RX」「STEVAL-WBC86TX」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは2023年11月、ワイヤレス充電規格「Qi」に対応したレシーバーIC「STWLC38」とトランスミッターIC「STWBC86」をベースとした評価ボード「STEVAL-WLC38RX」「STEVAL-WBC86TX」を発表した。
レシーバーICのSTWLC38は、Qi 1.3に準拠した15W EPP(Extended Power Profile)と5W BPP(Baseline Power Profile)に対応。5Wのトランスミッターとしても使用でき、給電も可能となっている。
また、同期整流器やLDO(低ドロップアウト)リニアレギュレーターを搭載する。85%の変換効率で、電力を4〜12Vで受信コイルからプログラム可能なDC出力電圧に変換できる。さらに、ARC(適応型整流設定)モードにより、使用できる充電面積を最大化。受信器の検出距離を50%延長する。空間的な自由度も増すため、適した給電位置に機器を設置できる。
STWBC86は、Qi 1.2.4のBPP(Baseline Power Profile)に準拠した5WのトランスミッターICだ。フルブリッジインバーターとドライバを搭載している。PWM(パルス幅変調)周波数やデューティサイクルを調整することで、送信コイルから転送される電力をコントロールできる。
両製品ともに、Arm Cortex-M0+コアや不揮発性メモリを内蔵した。パッケージは、STWLC38が2.12×3.32mmのWLCSP40、STWBC86が3.26×3.67mmのWSCSP72を採用している。
既に販売を開始していて、価格はSTEVAL-WLC38RXが72.28ドル(約1万500円)、STEVAL-WBC86TXが84.53ドル(約1万2300円)。スマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイス、消費者向け医療機器、コンピュータ周辺機器、歯ブラシ、シェーバー、補聴器など幅広い用途に適する。
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