STマイクロエレクトロニクスはハイエンドの産業機器や、業務用および生活家電向けの大電流モータードライバー「STSPIN9シリーズ」として、出力電流4.5Aの「STSPIN948」と5.0Aの「STSPIN958」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは2023年11月、ハイエンドの産業機器や、業務用および生活家電向けの大電流モータードライバー「STSPIN9シリーズ」として、出力電流4.5Aの「STSPIN948」と5.0Aの「STSPIN958」を発表した。いずれも既に量産中で、1000個購入時の単価は、STSPIN948が約2.35米ドル、STSPIN958が約1.42米ドルだ。
両製品は、PWM制御ロジックと58Vのパワー段を集積し、システム保護機能と2つの電流センスアンプを搭載。ブラシ付きDCモーターおよびバイポーラ型ステップモーターの駆動に適し、部品コストの削減に貢献するとともに、高い柔軟性と拡張性を実現するとしている。
STSPIN948は、2個のフルブリッジを集積し、異なるモードで駆動するよう設定できる。これによって定格の異なる複数のモーターを異なるモードで駆動するような柔軟な開発が可能となる。また、PWMベースの電流制御モードをオフ時間固定、またはしきい値設定から選択することで、5種類の駆動モードを使用できる。
STSPIN958は、1個のフルブリッジを内蔵。単方向モーターを2個、双方向ブラシ付きDCモーターを1個、または出力を並列化することで大電流の単方向モーターを1個駆動するモードが可能だ。また、STSPIN948と同様、オフ時間固定としきい値設定の電流制御モードを選択できるため、デュアルのハーフブリッジや、シングルのフルブリッジおよびハーフブリッジの並列接続が可能で、7種類の駆動モードを使用できる。
両製品ともに、外付け抵抗を使用することで出力トランジスタのスルーレートを0.3V/ns(ナノ秒)、0.6V/ns、1.2V/ns、2V/nsにプログラム可能。これによって消費電力と電磁ノイズの最適化ができる。また、デッドタイムを設けているため、貫通電流を防止できるとともに、各MOSFETのオン抵抗がわずか200mΩと低いことから、動作効率の最大化にも貢献。伝搬遅延は280ナノ秒と短く、システムコマンドに対する高速なダイナミック応答を実現している。
いずれも、過電流保護や過熱保護、短絡保護、低いバス電圧を検出する減電圧保護(UVLO)などの保護機能も内蔵している。STSPIN948は、VQFPN48パッケージ(7×7mm)、STSPIN958はVFQFPN32パッケージ(5×5mm)で提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.