VR:アノード〜カソード間に印加できる最大の逆方向の電圧です。
ショットキーダイオードなどではVRが温度によって変動する製品もありますのでカタログを確認してください。
FET(M1)がターンオンするとFETのソース(S)は動作電源Vccの電圧Vになります。ですがこの値はFETの場合と同じく理論値です。実際には各素子やパターンの寄生成分によってスパイク(リンギング)電圧が20%程度上乗された電圧がダイオードのA-K間に印加されます。ディレーティングを80%とすれば1.2/0.8=1.5倍の値を考えればよいでしょう。つまりFET(M1)のVDSSとほぼ同じ値が要求されます。
trr:ダイオードの電流が反転した時の逆方向回復(リカバリー)時間です。ダイオードのタイプはVRが許せばショットキー形(SBD)とし、そうでない場合は高速形(FRD)とします。
FRDでは逆方向回復時間(trr)と呼ばれる項目で判断し、できれば50ns以下のタイプを選択します。あまり高速(trr小)なFRDを使用するとリカバリー時の電流波形が鋭くなり、DC/DCコンバーターからの伝導ノイズや放射ノイズが大きくなりノイズ対策で苦労することになります。同じ測定条件で比較して同じtrrのFEDならリカバリー電流波形のピーク値が低く、かつ回復波形の緩やかな方を選んでください。
IF:順方向の平均電流です。
(AVE)の表示の場合は断続波での平均電流です。当然、この値はDC/DCコンバーターの出力電流Ioよりも大きくなければなりません。
目安として連続定格時Ioの4倍以上の定格品を選定します。ツインダイオードの場合は合算値です。
以下の計算では図2におけるダイオードD1の通電率をδ(D1)とします。したがってδ(D1)=1−δです。
温度の予測で重要になってくるのがダイオードの損失PFですが損失の理論的予測は難しく、カタログに記載されている図5に示す通電率δをパラメーターにした電流〜損失曲線から読み取ります。この時、パラメーターになるのはδ(D1)です。
ちなみにダイオード(D1)に流れる電流が最大(δ(D1)が最大)になるのは負荷電流Ioの多くがD1を通って負荷に供給される高入力時です。つまりFET(M1)の通電率δが最少になっている時です。この点は考え違いをしないように注意が必要です。
また実際のδ(D1)に合致する曲線がない場合は比例関係にあるとして読み取ります。
例えばIo=5AでFET(M1)の通電率δが0.1(高入力時)の時、δ(D1)は0.9となり、ダイオードD1は1サイクル平均に換算すると5A中の4.5Aが流れます。
図5の曲線ではδ=0.9の線はありませんので目測で読み取ります。
I(D1)=4.5A→1.6W
δ=0.9の時(δ(D1)=0.1ですから同様に0.5Aの分担になります)δ=0.1の曲線からは
I(D1)=0.5A→0.2W
と読み取れます。つまり高入力時ほどD1の損失は増加しますので温度評価もこの条件で行います。
ジャンクションの温度はFETの場合と同様に、この損失PFと熱抵抗Rthから計算します。ダイオードのジャンクションに許される温度上昇は前述の通り40℃以内ですから、この温度上昇をヒートシンクとパッケージで分け合うことになります。
ジャンクションの温度が想定より高い場合はヒートシンクの能力を上げるか、あるいは定格電流IF(AVE)を上げなければなりません。
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