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垂直共振器型面発光レーザー素子と光拡散材を組み合わせた赤外線光源広範囲で高精度なセンシングを実現

ロームは、VCSELをレーザー光向けの樹脂製光拡散材で封止した赤外線光源「VCSELED」を開発した。照射角度や発光波長幅、温度変化、応答速度などに優れる。

» 2024年04月19日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 ロームは2024年4月、VCSEL(垂直共振器型面発光レーザー)をレーザー光向けの樹脂製光拡散材で封止した、赤外線光源「VCSELED」を発表した。試作サンプルを同年4月、民生向け量産用サンプルを同年10月、車載向け量産用サンプルを2025年中に販売する。

赤外線光源「VCSELED」 赤外線光源「VCSELED」 出所:ローム

 VCSELEDは、VCSEL素子と光拡散材を組み合わせることで照射角度(ビーム角)がLED並みに広がった。そのため、VCSELより広範囲を高い精度でセンシングできる。自動車のIMS(車室内モニタリングシステム)やDMS(ドライバーモニタリングシステム)の性能を向上することが期待される。

 また、3.0×3.0×0.55mmの小型パッケージを採用していて、搭載機器の小型、薄型化にも貢献する。

発光波長幅や温度変化、応答速度にも優れる

 採用したVCSEL素子は発光波長幅が4nmで、LEDの7分の1となっている。受光側の認識性能が高まるだけでなく、LEDで課題となる赤見え(赤外LEDをセンサーなど高出力で使用した際に、人間の目に赤く映ってしまう現象)も生じない。

 波長の温度変化は0.072nm/℃で、LEDの4分の1以下に抑えた。加えて、発光時の応答速度は、LEDより約7.5倍速い2ナノ秒となった。ToF(Time of Flight)用途での性能向上に寄与する。

発光波長幅、波長温度特性、指向角比較 発光波長幅、波長温度特性、指向角比較 出所:ローム

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