逆回復時間は15ナノ秒、トレンチMOS構造採用の100V耐圧SBD : ローム YQシリーズ
ロームは、100V耐圧のSBD「YQ」シリーズの量産を開始した。独自のトレンチMOS構造を採用し、順方向電圧と逆方向電流を同時に低減していて、逆回復時間は15ナノ秒を達成している。
ロームは2023年12月、100V耐圧のSBD(ショットキーバリアダイオード)「YQ」シリーズの量産を開始した。サンプル価格は1個300円(税別)。車載用LEDヘッドランプやEV(電気自動車)向けDC-DCコンバーター、産業機器電源、照明などに適する。
100V耐圧SBD「YQ」シリーズ[クリックで拡大] 出所:ローム
独自のトレンチMOS構造を採用し、順方向電圧(VF )と逆方向電流(IR )を同時に低減した。これにより、逆回復時間(trr)は15ナノ秒を達成。トレンチMOS構造を用いた他の一般品に比べ、trr単体の損失は約37%、スイッチング損失全体は約26%低減した。
ロームのトレンチMOS構造[クリックで拡大] 出所:ローム
スイッチング損失比較[クリックで拡大] 出所:ローム
順方向印加時に損失となるVF と逆方向印加時に損失となるIR が改善したことで、電力損失や熱暴走のリスクを低減できる。
パッケージは、1.3×2.5mmのPMDE、1.6×3.5mmのSOD-123FL、2.5×4.7mmのSOD-128、4.6×6.5mmのTO-277A、6.6×10mmのTO-252AA、10.1×15.1mmのTO-263ABで提供する。パワートレインなどに対応したグレードも準備中で、2024年9月より量産を開始する予定だ。
オフセット電圧を自動補正する、ゼロドリフトオペアンプ
ロームは、ゼロドリフトオペアンプ「LMR1002F-LB」の量産を開始した。オペアンプ内部で生じたオフセット電圧を検出し、デジタル回路により自動補正するチョッパ方式を採用している。
GaN用ゲートドライバーIC、ナノ秒級でゲート駆動
ロームは、GaN(窒化ガリウム)デバイス向けのゲートドライバーIC「BD2311NVX-LB」を発表した。最小ゲート入力パルス幅は1.25ナノ秒で、GaNデバイスの高速スイッチングに対応する。
低オン抵抗の100V耐圧デュアルMOSFET
ロームは、100V耐圧のNch+NchデュアルMOSFET「HP8KE6」「HP8KE7」「HT8KE5」「HT8KE6」と、Nch+PchデュアルMOSFET「HP8ME5」を発表した。2チップを1パッケージに内蔵したデュアルMOSFETのため、機器の小面積化に対応する。
GaN HEMT採用パワーステージIC
ロームは、GaN(窒化ガリウム)パワーステージIC「BM3G015MUV-LB」「BM3G007MUV-LB」を開発した。650V GaN HEMTやゲート駆動用ドライバなどを1パッケージ内に搭載している。Si MOSFETから容易に置き換えて、部品体積を約99%、電力損失を約55%削減できる。
消費電力を約20%低減、42V耐圧の車載向けホールIC
ロームは、車載向け高耐圧ホールICとして、単極検出タイプの「BD5310xG-CZ」シリーズと、交番検出タイプの「BD5410xG-CZ」シリーズを発表した。42V耐圧で、動作電圧範囲は2.7〜38Vとなる。
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