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NHTSAの最新AEB規定が自動車業界に与える影響「2030年モデル」へのAEB搭載を義務化(1/4 ページ)

米国高速道路交通安全局(NHTSA)は、2029年9月までに全ての新型乗用車「2030年モデル」に自動緊急ブレーキ(AEB)システムを標準装備することを義務付ける新たな指令を最終決定しました。本稿では、NHTSAの最新のAEB規定が自動車業界と消費者に与える影響について解説します。

» 2024年08月30日 14時00分 公開

 米国高速道路交通安全局(NHTSA)は、2029年9月までに全ての新型乗用車「2030年モデル」に自動緊急ブレーキ(AEB)システムを標準装備することを義務付ける新たな指令を最終決定しました。AEBシステムは、潜在的な事故を回避するために車両がブレーキをかけることができる仕組みで、自動車メーカーが自動車に追加している最も強力な安全対策の1つです。衝突速度を下げたり、衝撃を緩和したりすることができるため、車両の損傷、負傷、死亡の一般的な原因を防止します。

 表面的には、AEBシステムの義務化は消費者にとって良いことです。NHTSAは、速度、ターゲットの種類、距離、夜間か昼間かなどの条件に影響を受ける機能を評価する評価システム(以下、NHTSA AEB規定)の確立を推進していて、最終的には業界を動かすことになるでしょう。

 しかし、NHTSA AEB規定が自動車業界に影響を及ぼすほど早く施行されるかどうかを考えるには、NHTSAの計画だけでなく、AEBシステム全体を評価する必要があります。AEBシステムの基礎となる技術、自動車メーカーの進歩率、市場動向を調査することで、NHTSA AEB規定の潜在的価値を適切に判断することが可能になります。

【図1】車載センシング技術の図解 【図1】車載センシング技術の図解[クリックで拡大] 出所:onsemi
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