ルネサス エレクトロニクスは、Armコア搭載の32ビットマイコン「RA4」シリーズに、超低消費電力な「RA4L1」グループを追加した。タッチキーやセグメントLCDコントローラー、堅牢なセキュリティ機能を備える。
ルネサス エレクトロニクスは2025年2月、Armコア搭載の32ビットマイコン「RA4」シリーズに、超低消費電力な「RA4L1」グループ14製品を追加した。既に量産を開始している。
RA4L1は、CPUにArmのセキュリティ技術「TrustZone」をサポートするCortex-M33コアを搭載する。独自の低消費電力技術によって、動作周波数80MHzのアクティブモードで168μA/MHz、スタンバイモードでは全てのSRAMを保持した状態で1.70μAを達成している。
HMI(Human Machine Interface)向けに静電容量式タッチキー機能と、簡易表示用にセグメントLCDコントローラーを備える。これにより、低消費電力ニーズの高いスマートメーターやスマートロック、IoTセンサーなど、さまざまな用途に適用できる。
メモリは、256K〜512Kバイトのコードフラッシュ、64KバイトのSRAM、8Kバイトのデータフラッシュを搭載。また、ユニークID、TRNG対応のRSIPセキュリティエンジン、AES、ECC、Hashなど堅牢なセキュリティ機能を備える。
パッケージは7種で、超小型の72ピンWLCSP(3.64×4.28mm)、48ピンQFN(7×7mm)、48ピンLQFP(7×7mm)、64ピンLQFP(10×10mm)、100ピンLQFP(14×14mm)、64ピンBGA(5.5×5.5mm)、100ピンBGA(7×7mm)を用意する。周辺温度範囲は、QFN、QFP、CSPパッケージは−40〜+125℃、BGAは−40〜+105℃に対応している。
RA4L1のアプリケーションプログラム開発には、同社の「Flexible Software Package(FSP)」が利用できる。FSPは、さまざまなリアルタイムOSや周辺ドライバー、ネットワークなど基本ソフトウェアのほか、複雑なAI(人工知能)やクラウドソリューションを構築できるソフトウェアを含むため、アプリ開発の短期化に貢献する。また、FSPを使って、「RA6」「RA2」など同社の他シリーズのデバイスとの間で既存のソフトウェアを容易に移行できる。
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