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「業界初」USB Type-C Release2.4準拠の32ビットマイコン、ルネサス小型機器の給電を高速に

ルネサス エレクトロニクスは、USB Type-C規格Release2.4に準拠した32ビットマイコン「RA2L2」グループを発売した。USB Type-Cコネクター接続時に、給電の方向と容量の読み取りができるCC検出機能を搭載する。

» 2025年06月23日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 ルネサス エレクトロニクスは2025年6月、「業界で初めて」(同社)USB Type-C規格の最新仕様Release2.4に準拠した32ビットマイコン「RA2L2」グループを発売した。パッケージは、32ピン、48ピン、64ピンのLQFPか、32ピン、48ピンのQFNを用意。既に量産を開始している。

 RA2L2は、最大動作周波数48MHzのArm Cortex-M23コアを搭載し、消費電力を低く抑える。64Kバイトか128Kバイトのフラッシュメモリ、16KバイトのSRAM、4Kバイトのデータフラッシュを備えるほか、USB Type-Cと12Mビット/秒のUSB Full Speed規格の両方に対応し、ワイヤレスイヤフォンの充電ケースやデータロガー、カードリーダー、ハンディプリンタといった小型機器の部品数や基板面積を削減できる。

USB Type-C対応の32ビットマイコン「RA2L2」 出所:ルネサス エレクトロニクス

給電方向と給電容量を読み取る機能を備え、Release2.4仕様に対応

 USB Type-Cコネクターを接続した際に、給電方向と給電容量の読み取りができるCC(Configuration Channel)検出機能を搭載する。Release2.4仕様では、電圧検出の閾値が1.5A給電で0.613V、3.0A給電で1.165Vへと引き下げられた。旧仕様のままでは誤検出する恐れがあるので、同社はいち早く新仕様に対応したという。

 独自の低消費電力技術によってアクティブモードでの消費電流を87.5μA/MHzに、待機モード時は250nAに抑えるので、機器のバッテリー寿命を延ばせる。USBのほか、ローパワーUART、I3C、CANインタフェースに対応。特に、ローパワーUART用に独立した動作クロックを搭載するため、Wi-FiやBluetoothモジュールを接続すれば、データ受信と同時にシステムを起動できる。

 同社のFlexible Software Package(FSP)も利用可能で、FSPが提供するさまざまなRTOSやBSP、ドライバー、ミドルウェア、セキュリティスタックによって迅速なアプリケーション開発が可能になる。ユーザーは独自のソフトウェアやOSをFSPに統合して、開発の柔軟性を向上できる。「RA」ファミリー間でのIP移行も容易だ。

「RA」ファミリーのポートフォリオ 出所:ルネサス エレクトロニクス

 さらに同社は、USBデータロガーやGNSS通行料自動徴収システムなど多様な自社製品とRA2L2を組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を提案している。ユーザーは設計検証済みの同ソリューションを活用することで設計リスクを減らし、市場投入までの時間を短縮できる。他にも、多様な用途に対応できるよう、400種以上のウィニングコンビネーションが用意している。

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