リガクは、半導体向けのマイクロスポット高分解能X線回折システム「XTRAIA XD-3300」の本格的な商業生産を開始した。ウエハー上の40μm角以下の微細パッド上で、数ナノメートル単位の積層構造まで非破壊で高精度に解析できる。
リガクは2025年7月、半導体向けのマイクロスポット高分解能X線回折システム「XTRAIA XD-3300」の本格的な商業生産を開始したと発表した。
XTRAIA XD-3300は、X線光学系から検出器、解析ソフトまでを同社が開発。ウエハー上の40μm角以下の微細パッド上で、数ナノメートル単位の積層構造まで、非破壊で内部を高精度に解析できる。
多層膜ミラーと湾曲結晶を組み合わせた独自のX線光学系により、従来と比べて最短約100分の1の時間で計測を完了できる。これまで数時間かかっていた解析時間を、数分ほどにまで短縮可能だ。
さらに、ナノスケールで積層する超格子構造を解析できるソフトウェアを搭載。シリコンゲルマニウム(SiGe)などの多層構造について、周期性や界面品質を正確に数値化できる。
半導体は急速に微細化や3次元(3D)化が進み、HBM(High Bandwidth Memory)や3D DRAMなどの次世代メモリや2nm世代以降のロジック半導体へのニーズが増してきている。Si/SiGeを用いた超格子構造の採用が進んでいるが、高度化した内部構造を適切に制御して性能や歩留まりを向上させるには、Si/SiGeの組成や膜厚を正確に把握できる計測技術が必要になる。
既に大手半導体メーカーがXTRAIA XD-3300を採用していて、リガクは2025年度に10億円超の売り上げを見込む。2030年度には100億円規模への成長を目指すとしている。
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