OKIサーキットテクノロジーは、宇宙機器向けに放熱性を強化した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」を発売した。基板裏面へ熱を逃がすことができ、真空下での部品の排熱に対応する。
OKIサーキットテクノロジーは2025年8月、宇宙機器向けに放熱性を強化した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」の販売を開始した。価格は個別見積もりで、2026年度は年間2000万円の販売を目指す。
フレックスリジット基板は、屈曲性のあるフレキシブル基板(FPC)と強度の高いリジット基板(PCB)を一体化したものだ。折り曲げが可能で、狭いスペースの機器に搭載できる。また、コネクターなしでの基板間接続が可能。軽量化や省スペース化、実装工数の削減に寄与する。
今回同社は、独自の「銅コイン埋め込みPCB技術」をフレックスリジット基板に適用。熱伝導率の高い銅コインをPCBのスルーホールへ円柱状に挿入し、発熱する電子部品と接合することで基板裏面へ熱を逃がすことができる。従来のフレックスリジット基板は、対流放熱ができない宇宙空間での放熱対策が課題だったが、同技術により真空環境下の放熱性を高めた。
OKIは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のPCB規格7付則全ての認定を取得している。他に、形状や搭載場所による要求スペック、小ロットなど、さまざまな仕様に対応できる。同社では、「中期経営計画2025」で航空宇宙市場をEMS事業の注力分野に位置付けていて、今後、機器設計段階のシミュレーションを含めた技術開発や販売拡大を進める。
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