日本テキサス・インスツルメンツは、放射線耐性を有する宇宙用途向けのハイグレードプラスチック仕様「SHP」とSHPに対応したA-Dコンバーター2種を発表した。また、宇宙用強化プラスチックSEP製品として、新しいPWMコントローラーも発表した。
日本テキサス・インスツルメンツは2023年1月、放射線耐性を有する宇宙用途向けのハイグレードプラスチック仕様「SHP(Space High-grade in Plastic)」を発表した。併せて、SHP仕様に対応したA-Dコンバーター「ADC12DJ5200-SP」「ADC12QJ1600-SP」も発表していて、既に購入可能となっている。
SHPは、深宇宙ミッションの設計要求に適合するICを規定したもので、パッケージは、放射線強化半導体向けのPBGAやプラスチック封止パッケージを対象としている。ADC12DJ5200-SPおよびADC12QJ1600-SPは、SHPに準拠した同社初の製品となる。パッケージは、10×10×1.9mmのフリップチップBGA SHPを採用した。
両製品は、セラミックパッケージを用いた従来品と比較して、7分の1に小型化している。また、最大17.1Gビット/秒のSerDesレートでデータ通信速度を最大化し、熱抵抗を低減できる。
さらに同社は、宇宙用強化プラスチック「SEP(Space Enhanced Plastic)」製品として、新たなPWM(パルス幅変調)コントローラー「TPS7H5005-SEP」も発表した。TPS7H5005-SEPは、複数の電源トポロジーやFETアーキテクチャをサポートする。同期整流による電力損失を抑えることで、同等のコントローラーと比べて電力効率を5%以上向上する。
なお、同社の宇宙対応組み込み製品およびSHP製品は、軍事仕様「MIL-PRF-38535」に準拠する。
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