NXPセミコンダクターズは、EIS機能を搭載したBMSチップセットを発表した。ナノ秒単位での同期測定が可能。高周波数でバッテリーをリアルタイムに監視できる。
NXPセミコンダクターズは2025年10月、電気化学インピーダンス分光法(EIS)機能を搭載したバッテリーマネジメントシステム(BMS)チップセットを発表した。2026年初頭の提供開始を予定している。EIS機能をハードウェアベースで実現するBMSは「業界で初めて」(NXP)だという。
同チップセットは、セルセンシングデバイス「BMA7418」、ゲートウェイ「BMA6402」、バッテリージャンクションボックスコントローラー「BMA8420」で構成される。ナノ秒単位での同期測定が可能で、高周波数でバッテリーをリアルタイムに監視できる。電気自動車(EV)やエネルギー蓄積システムの安全性、寿命、性能の向上に寄与する。
チップ内に内蔵した離散フーリエ変換回路によるインピーダンス測定が可能。制御した電気的励起信号をバッテリーに印加し、その応答を周波数ごとに取得するEIS技術により、温度勾配や微小な内部短絡、経年劣化といった状態変化を検出できる。これにより、従来の時間依存型の手法では難しかったミリ秒単位の微細な変化の把握が可能となる。
ピン互換パッケージを採用していて、既存のセルモジュール搭載ユニットやバッテリージャンクションボックス制御ユニットにそのまま置き換えて使用可能だ。また、同社の車載向けマイクロコントローラー「S32K358」上で動作する専用ソフトウェアも付属する。
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