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よみがえる『破裂するセラコン』の記憶……原因特定!問題が多いノートPCの調査(2)Wired, Weird(2/3 ページ)

» 2025年12月18日 10時00分 公開

一晩放置しても立ち上げられず……

 ファイルの自動修復作業で一晩放置したが、システムファイルが読みこめずWindowsは立ち上がらなかった。自宅のデスクトップPCにSSD-USBのケーブルをつなぎ、このHDDのファイルを確認したが、エラーが出ていた。図4に示す。

<strong>図4:自宅のデスクトップPCにSSD-USBのケーブルをつなぎ、修理依頼品のHDDのファイルを確認した</strong> 図4:自宅のデスクトップPCにSSD-USBのケーブルをつなぎ、修理依頼品のHDDのファイルを確認した[クリックで拡大]

 図4左はデスクトップPCにSSD-USBのケーブルをつなぎHDDのファイルを確認した様子だが、エラーだった。右はHDDのプロパティを確認したものだが、データは残っていなかった。Windowsが立ち上がった後に電源を切った瞬間、HDDのファイルが壊れたようだ。

 BIOSは起動できるので、CD-ROMにシステムファイルを入れ、Windowsを立ち上げてHDDを初期化しシステムファイルを入れるしかなさそうだ。

 念のため、BIOSの起動変更とCD-ROMのハードの動作を確認した。図5に示す。

<strong>図5:BIOSの起動変更とCD-ROMのハードの動作を確認した</strong> 図5:BIOSの起動変更とCD-ROMのハードの動作を確認した[クリックで拡大]

何とか顧客の期待に応えられた

 図5左は、BIOSで起動順位を変更した様子だ。図5右はCD-ROMの取り出しを確認したところだ。客先でHDDのバックアップがとってあることを期待するしかない。客先へ修理の経過を説明して、バックアップのHDDでシステムの立ち上げを依頼したところ、後日正常に立ち上がったと連絡があった。なんとか顧客の期待に応えられた。

 おまけで、ノートPC内部の画像を数点、図6に示す。

<strong>図6:ノートPC内部の画像</strong> 図6:ノートPC内部の画像[クリックで拡大]

 図6左では、CPUファンやメモリが見える。CPUはヒートシンクで冷却されていた。図6右は問題が多いノートPCのマザーボードだ。右上の基板に貼り付けられた赤四角のシート下に破損部品があった。

 今回の調査によって、このノートPCの弱点が分かった。このノートPCは、CPU周辺のICに電源を供給するDC-DCコンバーターの部品に保護シートが貼り付けられているが、修理依頼品もジャンク品も、同じ場所に実装されたセラミックコンデンサーが壊れていたのだ。不良が起こる原因は、この保護シートに起因する問題で、セラミックコンデンサーが劣化したことによると考えられた。

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