ファイルの自動修復作業で一晩放置したが、システムファイルが読みこめずWindowsは立ち上がらなかった。自宅のデスクトップPCにSSD-USBのケーブルをつなぎ、このHDDのファイルを確認したが、エラーが出ていた。図4に示す。
図4左はデスクトップPCにSSD-USBのケーブルをつなぎHDDのファイルを確認した様子だが、エラーだった。右はHDDのプロパティを確認したものだが、データは残っていなかった。Windowsが立ち上がった後に電源を切った瞬間、HDDのファイルが壊れたようだ。
BIOSは起動できるので、CD-ROMにシステムファイルを入れ、Windowsを立ち上げてHDDを初期化しシステムファイルを入れるしかなさそうだ。
念のため、BIOSの起動変更とCD-ROMのハードの動作を確認した。図5に示す。
図5左は、BIOSで起動順位を変更した様子だ。図5右はCD-ROMの取り出しを確認したところだ。客先でHDDのバックアップがとってあることを期待するしかない。客先へ修理の経過を説明して、バックアップのHDDでシステムの立ち上げを依頼したところ、後日正常に立ち上がったと連絡があった。なんとか顧客の期待に応えられた。
おまけで、ノートPC内部の画像を数点、図6に示す。
図6左では、CPUファンやメモリが見える。CPUはヒートシンクで冷却されていた。図6右は問題が多いノートPCのマザーボードだ。右上の基板に貼り付けられた赤四角のシート下に破損部品があった。
今回の調査によって、このノートPCの弱点が分かった。このノートPCは、CPU周辺のICに電源を供給するDC-DCコンバーターの部品に保護シートが貼り付けられているが、修理依頼品もジャンク品も、同じ場所に実装されたセラミックコンデンサーが壊れていたのだ。不良が起こる原因は、この保護シートに起因する問題で、セラミックコンデンサーが劣化したことによると考えられた。
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