米NVIDIA社は2010年3月、コンシューマ向けのGPU(Graphics Processing Unit)「GeForce GTX480(以下、GTX480)」と「GeForce GTX470(以下、GTX470)」を発表した。2009年9月に発表したGPUアーキテクチャ「Fermi」を採用したもの。国内での出荷は2010年4月中旬を予定している。発表時点での価格はGTX480が479米ドル、GTX470が349米ドル。
GTX480/470の大きな特徴の1つは、米Microsoft社のAPI(Application Programming Interface)「DirectX 11」で新たに採用されたテセレーション(ポリゴンを細かく分割する処理)に対応できるようになったことだ(図1)。「DirectX 11では、GPU上でジオメトリを自動的に生成できるようになった。すなわち、ローポリゴンの単純なモデルをGPU側に渡すだけで、より複雑なハイポリゴンのモデルをGPU上で(自動的に)作ることができるようになる」(NVIDIA社の担当者)という。
ローポリゴンからハイポリゴンのモデルを生成する役割を担うのが「PolyMorph Engine」である。GTX480/470では、同エンジンをシェーダユニットごとに、計16基搭載している(図2)。そのため、ポリゴン数が増えても、並列処理による対応が行える。また、テセレーションの最終処理を担う「ラスターエンジン」が、4基のPolyMorph Engineに対して1基搭載されている。
性能面では、ハイエンド向けGPUの従来品である「GeForce GTX285」と比較して、1.5〜3.5倍(アプリケーションに依存する)のパフォーマンスを実現している。とりわけDirectX 11対応のアプリケーションで用いたときの性能が大幅にアップしているという。また、ゲームの用途において特に重要になるアンチエイリアス処理では、8倍モードを実行しても性能が低下する割合が少ないとしている。
GTX480のコア数(SP[Streaming Processor]数)は480基。コア用クロックの周波数は700MHzで、シェーダ用クロックの周波数は1401MHz。メモリーはGDDR5(Graphics Double Data Rate 5)で、容量は1536Mバイト、接続バス幅は384ビットである。最大消費電力は250W。
一方のGTX470は、SP数が448基。コア用クロックの周波数は607MHzで、シェーダ用クロックの周波数は1215MHz。メモリーはGTX480と同様にGDDR5で、容量は1280Mバイト、接続バス幅が320ビット。最大消費電力が215Wとなっている。
(村尾 麻悠子)
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