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CAN/LINトランシーバを中核とする多機能IC、大手自動車メーカーのEMC要件に適合

» 2010年09月06日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 オランダNXP Semiconductors社は2010年9月、車載LAN規格であるCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)のトランシーバと、その周辺に用いられる電圧レギュレータやウォッチドッグなどの機能を統合したICの新製品「UJA107xAファミリ」を発表した。すでにサンプル出荷を開始している。量産出荷時の参考価格は、1万個購入時の単価で1.34米ドル。

 NXP社は、同社が高いシェアを持つCANとLINのトランシーバICをベースに、ECU(電子制御ユニット)に搭載されるさまざまなICの機能を統合したICを、システムベースチップ(SBC)と呼んで展開している。UJA107xAファミリは、このSBCの新製品となる。


 同ファミリの最大の特徴は、高いEMC(電磁両立性)性能を備えていることである。同社によれば、Audi社、BMW社、Daimler社、Volkswagen社、Porsche社の各ドイツ自動車メーカー、米Ford Motor社、フランスRenault社、トヨタ自動車など、大手自動車メーカーのEMC要件を満たしているという。

 また、CAN/LINトランシーバに加えて、トランシーバの動作を管理するコントローラ、ECU内のマイコンに電源電圧を供給するのに用いる電圧レギュレータ、ウォッチドッグなどの機能を1チップに統合することにより、ECUのプリント基板の面積を削減することが可能になる。NXP社は、これらの各機能を個別部品で構成する場合と比べて、基板面積を50%以上削減できるとしている。さらに、低消費電力の動作モードとして、2つのモードを備える。1つは、トランシーバが低消費電力モード(待機モード)で動作するスタンバイモードである。もう1つは、トランシーバが低消費電力モードで動作するのに加えて、マイコン用の電圧レギュレータの動作を停止するスリープモードである。それぞれの消費電流は、スタンバイモードが75μA、スリープモードが55μA。なお、通常動作時の消費電流は最大900μAとなっている。

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