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トヨタがWiTricity社と提携、磁界共鳴方式の非接触充電の実用化へ

» 2011年05月09日 00時00分 公開
[Automotive Electronics]

 トヨタ自動車は2011年4月、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けの非接触充電技術の実用化と普及促進に向けて、米WiTricity社と提携したと発表した。この提携に併せて、トヨタ自動車は、WiTricity社が行う増資の一部を引き受ける予定である。

 非接触充電技術とは、電力を供給する側である送電側と、電力を供給される側である受電側を、充電ケーブルで接続することなく無線でつないで電力を供給する技術のことである(図1)。無線給電技術、ワイヤレス送電技術などとも呼ばれている。


図1 非接触充電技術の利用イメージ 図1 非接触充電技術の利用イメージ 

 両社が実用化を目指すのは、磁界共鳴方式を用いた非接触充電技術である。磁界共鳴方式では、特定の周波数で振動が増幅する共鳴(共振)現象を利用する。送電側と受電側に組み込んだ、コイルとコンデンサで構成した共振回路によって共鳴現象を起こすことにより、電力供給を実現することができる。

 現在、非接触充電技術の方式としては、携帯電話機向けにすでに製品導入が始まるなど、電磁誘導方式が先行している。これに対し、磁界共鳴方式は、電磁誘導方式と比べて、送電側と受電側の距離が長い場合でも高い効率で送電できるという特徴を備えている。トヨタ自動車は、この特徴を重視しており、EVやPHEV向けの非接触充電技術として磁界共鳴方式を用いたものを採用する方針。磁界共鳴方式の非接触充電技術で高い技術力を持つWiTricity社と提携することで、実用化を加速させたい考えだ。

 なお、EV向けの非接触充電技術では、日産自動車やパイオニアが電磁誘導方式を用いたものを発表している。また、早稲田大学と昭和飛行機工業は、電動バス向けに、電磁誘導方式の非接触充電システムを開発している(関連ニュース)。

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