このソフトウェアで生成したデータパターンをベクトル変調信号発生器にダウンロードすれば、IEEE 802.15.4gの暫定版規格に準拠した受信感度試験用信号を出力できる。電力やガス、水道の次世代高機能メーターに組み込む無線通信機能の評価に使える。
アジレント・テクノロジーは2012年2月、電力やガス、水道の次世代高機能メーター(いわゆるスマートメーター)の受信感度試験に向けて、試験信号を生成するソフトウェア「スマートメータ(IEEE802.15.4g)信号データ生成ソフトウェア」を発売した。スマートメーターの通信規格として標準化が進む「IEEE 802.15.4g」で規定された、920MHz帯の受信感度試験に必要な信号を生成可能だ。現時点では同規格の暫定版(Draft7)に対応しており、今後IEEE802.15.4g規格の動向に合わせてこのソフトウェアをアップデートしていく計画だという。
PCにインストールして使うソフトウェアである。まず、PC上でIEEE802.15.4gの暫定版(Draft7)が定める920MHz帯の「MR-FSK(Multi Regional Frequency Shift Keying) PHY」に準拠したデータパターンを作成する(図1)。ここでは、被測定物に応じて、データパターンのMACヘッダ部の「Frame Control」や「Sequence Number」、アドレス情報などを設定することが可能だ。次にそれを同社のベクトル信号発生器である「Agilent N5182A MXG」もしくは「Agilent E4438C ESG-C」にダウンロードすることで、それらの信号発生器から実際の試験信号を出力できる(図2)。このときユーザーは、信号発生器の周波数や出力レベル、RF出力や変調のオン/オフなどを、PC上のこのソフトウェアから操作することが可能だ。
価格は100万円(税別)。2012年4月に出荷を始める予定である。
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