今回は歯を削ったりする歯科用ハンドピースコントローラーの不具合調査を報告する。
歯科用の医療機器の修理をやっている知人から久しぶりに連絡があった。
ハンドピースのコントローラーなのですが、ペダルを操作すると回転速度が上がりかけては止まるを繰り返す症状で、動作確認中に基板特有の焼けた臭いがしてまいりました。
ということだった。
特に『焼けた臭い』が気になったので機器を送ってもらった。今回は歯を削ったりする歯科用ハンドピースコントローラーの不具合調査を報告する。送ってもらった機器の写真を図1に示す。
図1はハンドピースコントローラーの外観だ。一見しただけで海外製の製品と思った。医療機器なのに製造ラベルは剥がされており、製造者名も不明だった。機器の内部を点検した写真も送られてきた。図2、図3に示す。
図2は受領した修理品のトランスとトランジスタが実装された基板の様子だ。図3はモーターの回転数を変える長い可変抵抗と電解コンデンサーが確認できる。よく見ると可変抵抗や基板が明らかにぬれていた。電解コンデンサーから液漏れしているようだ。使用されている電解コンデンサーは耐圧が50Vあり、過去に発生した液漏れ電解コンデンサーではなかった。
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