日本TIのマルチプレクサ、電源セレクタIC、リタイマーIC、スイッチIC、昇圧コントローラIC、スイッチングレギュレータICを使えば、Thunderboltを搭載した製品を容易に開発できるようになるという。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2012年3月、高速データ伝送規格「Thunderbolt」に対応するIC製品群を発表した。マルチプレクサ、電源セレクタIC、リタイマーIC、スイッチIC、昇圧コントローラIC、スイッチングレギュレータICの6製品を展開する。Intelが供給するThunderboltコントローラとこれらの6製品を使えば、Thunderboltを搭載する製品を容易に開発できる。「Thunderbolt対応製品の開発に必要なデバイスを包括的に供給できるのは当社だけだ」(日本TI)という。なお、現時点で出荷しているのは、マルチプレクサの「TPS22980」と、スイッチングレギュレータICの「LMZ10501」のみで、残りの4製品は開発中となっている。
TPS22980は、低電圧電源(3.0〜3.6V)から高電圧電源(5〜18V)に対応しており、過電流保護機能を備える。パッケージは、外形寸法が4×4mmのQFNを採用しており、1000個購入時の参考単価は1.10米ドル。
LMZ10501は、入力電圧範囲が2.7〜5.5Vで、出力電圧範囲が0.6〜3.6V。最大出力電流は1Aである。インダクタを内蔵しているので、基板上の実装面積を縮小できる。最大効率は95%。パッケージは、外形寸法が3.0×2.5×1.2mmのSE08A。1000個購入時の参考単価は1.80米ドルとなっている。
電源セレクタICの「TPS22985」を用いれば、Thunderboltに対応するケーブルを経由する全ての電源を管理することが可能になるという。外形寸法が1.6×1.6mmのBGAで供給される。1000個購入時の参考単価は0.65米ドル。
リタイマーICの「DS100TB211」は、補償回路を内蔵している。DS100TB211を用いることで、導体サイズが40AWGの安価な同軸ケーブルを利用できるようになる。クロック生成機能と電源フィルタ機能を集積しており、プリント配線板の層数を削減することも可能だとしている。パッケージは5×5mmのQFN。1000個購入時の参考単価は3.95米ドル。
スイッチICの「HD3SS0001」は、ThunderboltとDisplayPortの両方に対応する。従来品は、各規格に対応する個別部品であったが、1チップに集積したことで省スペースを実現した。3.5×5.5mmのTQFNで供給される。1000個購入時の参考単価は0.90米ドル。
昇圧コントローラICの「LM3017」は、真のシャットダウン機能を備えている点を特徴とする。これにより、過電流から電池を保護することができる。出力は最大30Wで、2個のThunderboltポートをそれぞれ15Wで駆動する。精度が±1%のリファレンス電圧を内蔵している。パッケージは、2.4×2.7mmのQFN。1000個購入時の参考単価は0.97米ドル。
今回の発表は、2011年9月に買収を完了したNational Semiconductorの製品群が加わったことが背景にある。National Semiconductorが「SIMPLE SWITCHER」ブランドで展開していたLMZ10501などはその代表と言える。
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