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業界最高速のDDS IC、サンプル周波数は最大3.5Gサンプル/秒ADI AD9914

アナログ・デバイセズの「AD9914」は、最大3.5Gサンプル/秒と業界で最も高いサンプル周波数を実現したダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)ICである。対象機器は、周波数を任意に変えられる無線アプリケーションなどである。

» 2012年06月20日 13時25分 公開
[前川慎光,EDN Japan]

 アナログ・デバイセズは2012年6月、サンプル周波数が最大3.5Gサンプル/秒と高いダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS:Direct Digital Synthesizer)IC「AD9914」を発表した。DDSは、D-Aコンバータを使って高周波信号を発生させる手法である。同社のDDS IC製品群の最高サンプル周波数は1Gサンプル/秒だったので、これを一気に3.5倍に高めたことになる。「業界最高速のDDS ICだ」(同社)という。

図 高周波信号の発生方法 DDS ICは、D-Aコンバータを使った方法。出力周波数を瞬時に切り替えられることが特徴である。

 AD9914は、32ビット幅の制御用パラレルポートや出力信号の振幅、位相、周波数を微調整できるレジスタ機能を搭載したことも特徴で、これらの機能によって、振幅、周波数、位相を極めて高速に変化させることができる。「現在、高速な周波数ホッピングや周波数スイープが必要な無線通信システムにおいて、DDS技術に対するニーズが高まっている。AD9914はこのニーズに応える品種だ」(同社)という。位相雑音は100Hzオフセット時に130dBc/Hz、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)は1GHzを超える出力周波数においても−50dBc以上と良好である。消費電力はフル動作時に約2.5Wである。

図 振幅、位相、周波数を微調整するレジスタ機能を搭載した

 サンプル周波数が最大2.5Gサンプル/秒の「AD9915」も用意した。対象用途は、無線基地局やポイント・ツー・ポイント(P2P)通信システム、高精度レーダー、信号発生器、任意波形発生器など。パッケージは、88端子のLFCSP。既にサンプル出荷を開始しており、2012年夏に量産を始める。100個購入時の参考単価は、AD9914が149.00米ドル、AD9915が119米ドルである。

アナログ・デバイセズのDDS IC製品群における今回発表した品種の位置付け(左)と、競合他社品との比較(右)

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