レクロイの「WaveAce1000シリーズ/2000シリーズ」は、同社のローエンドオシロスコープの新機種群だ。帯域幅が40M〜300MHzの11機種を用意した。価格が税込み8万1900円と最も低い2チャネル機でも、波形メモリは1チャネル当たり1Mポイント、2チャネルインタリーブ時に2Mポイントと長い。
レクロイ・ジャパンは2012年7月3日、ローエンドのオシロスコープ「WaveAceシリーズ」を刷新し、同シリーズの従来機種に比べて価格対性能比を高めた新製品群を発売した。帯域幅が40M〜300MHzの範囲で異なる11機種を用意しており、価格は8万1900〜30万7650円(税込みの定価)に設定した。いずれの機種も7インチの大型カラーディスプレイを搭載し、波形の視認性を高めている。既に出荷が可能だという。
11機種の内訳と主な特性は以下の通り。3機種は波形メモリ長が最大2Mポイントと、ローエンド機種としては極めて長い「WaveAce1000シリーズ」で、帯域幅が40MHz、60MHz、100MHzと異なる。いずれの機種もチャネル数は2つ。波形メモリはチャネル当たり1Mポイントを搭載しており、2チャネル分をインタリーブ動作させることで最大の2Mポイントを確保できる。サンプリング速度は、1チャネル当たり500Mサンプル/秒で、やはり2チャネルのインタリーブによって最大1Gサンプル/秒が得られる仕組みだ。
残る8機種は、LANポートを搭載し、リモート制御で利用しやすい「WaveAce2000シリーズ」である。帯域幅が70MHz、100MHz、200MHz、300MHzと異なる4タイプがあり、それぞれにチャネル数が2つの機種と4つの機種が用意されている。波形メモリは1000シリーズに比べて短く、チャネル当たり12kポイントを搭載。2チャネルインタリーブ時は最大24kポイントを利用することが可能だ。サンプリング速度は、1チャネル当たり1Gサンプル/秒で、2チャネルインタリーブ時が2Gサンプル/秒である。
11機種に共通の特長としては、波形パラメータの自動測定機能を32項目と数多く用意した他、加算/減算/乗算/除算/FFTの全てに対応する波形演算機能を搭載したことなどを挙げる。競合の大手計測器メーカーが供給するローエンドモデルは、自動測定機能が11〜23項目にとどまっている上に、演算機能が除算に対応していなかったという。
さらにWaveAceシリーズの新製品群は、ユーザーの手持ちのPCを使ってロジックアナライザの機能を実現できる同社の製品「LogicStudio」を組み合わせることで、いわゆるMSO(ミックスドシグナル・オシロスコープ)としても利用できる。LogicStudioは16チャネルのデジタル入力モジュールが付属し、価格は13万円台。WaveAceで捕捉した波形をPC上の波形ビューアソフトウェアに取り込んで、PCのディスプレイ上でアナログ信号とデジタル信号の波形を並べて表示させることが可能だ。シリアルインタフェースのデコーダ機能も備えている。
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