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非接触バッテリ充電の受信回路向けIC、広い結合範囲で高い充電効率が可能にリニアテクノロジー LTC4120

LTC4120は、ワイヤレス受電と定電流/定電圧バッテリチャージャの機能を一体化したICである。情報機器や産業機器、医療機器などの携帯端末において、送電側と受電側を最大1.2cm離した状態でバッテリ充電を可能とするワイヤレス電力伝送システムの受電回路用途に向ける。

» 2013年10月07日 16時50分 公開
[EDN Japan]
ワイヤレス受電と定電流/定電圧バッテリチャージャの機能を一体化したIC「LTC4120」

 リニアテクノロジーは2013年10月、ワイヤレス受電と定電流/定電圧バッテリチャージャの機能を一体化したIC「LTC4120」の販売を始めた。情報機器や産業機器、医療機器などの携帯端末において、送電側と受電側を最大1.2cm離した状態でバッテリ充電を可能とするワイヤレス電力伝送システムの受電回路用途に向ける。


ワイヤレス受電と定電流/定電圧バッテリチャージャの機能を一体化したIC「LTC4120」

 ワイヤレス電力伝送システムは、一般的に送電回路や送電コイル、受電コイル、受電回路などのブロックで構成されている。LTC4120は、この構成要素の中で受電回路の主要な機能ブロックを集積したIC。受電コイルより整流済みの電圧を受電するが、その電圧範囲は4.2〜40Vと広い。バッテリフロート電圧は3.5〜11Vの調整が可能で、帰還電圧精度は±1%を実現している。充電電流は外付けする抵抗によって、5%の精度で50〜400mAまで調整できる。さらに、電力損失をなくす独自のDHC(Dynamic Harmonization Control)技術を採用しており、広い結合範囲でワイヤレス充電の効率を高められるという。

 LTC4120は、外形寸法が3×3mmで厚みは0.75mmと薄い16端子のQFNパッケージで供給される。パッケージ裏面には放熱特性を高めるため金属パッドを設けた。製品はEグレードとIグレードが用意されており、動作温度範囲はいずれも−40〜125℃である。参考価格は、Eグレード品を1000個購入した場合の単価が3.55米ドルより。

 LTC4120は、同社が提供するリファレンスデザインをベースとしたシステム設計への使用はもとより、ニュージーランドPowerbyProxi製のワイヤレス送電システムと組み合わせて使うことができる。PowerbyProxi製のワイヤレス送電システムを用いると、1個の送電モジュールに対して、複数の受電モジュールを用意すればそれぞれ同時にワイヤレス充電できるシステムを構成することが可能である。

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