今回はシリアルオシレータの実際の作り方を詳しく説明しよう。製作する基板には搭載部品が少なく簡単な回路だ。しかし、チップ部品を使うので部品をピンセットではさむこととハンダコテの使い方が読者には難しいかもしれない。腕試しも兼ねて、ぜひ、トライしよう!
前回はシリアルオシレータをパワーアップさせて便利になった回路を説明した。しかし読者にはまだまだ実感がわかないと思うので、今回はシリアルオシレータの実際の作り方を詳しく説明しよう。
まず、その前に、シリアルオシレータの完成型の動画を紹介する。
動画を見れば分かるように、製作する基板は、搭載部品が少なく簡単な回路だ。しかし、チップ部品を使うので部品をピンセットではさむこととハンダコテの使い方が読者には難しいかもしれない。
では、作り方を紹介していこう。図1に製作する基板の回路図を示す。
図1の回路図は前回と抵抗値を少し変えてあり、抵抗R1,R2,R4の値を1MΩから2MΩへ変更している。これは電池の寿命を最大限に伸ばすことが目的だ。点滅時間が分かりやすいように発振周期も1秒に近づけた。この定数であれば電池の電圧が3Vまで下がっても白色LEDの点滅動作が可能になる。
白色LEDが明るく点灯する時の順電圧VFは3.3V程度であるが、暗い微小電流でのVFは2.2V程度になる。図1の回路では、シリアルオシレータにかかる電圧が0.8V程度までFETをオンさせることができる。そのため、電池の電圧が3Vまでライトを点滅させることができ、電池の寿命を最大限に生かすことができる。
使用する部品は、次の表の通りだ。
部品名 | サイズ | 仕様 | 個数 |
---|---|---|---|
チップ抵抗 | 1608 | 1MΩ | 7個 |
チップコンデンサ | 1608 | 1uF | 1個 |
トランジスタ2SAタイプ | 2.5×2.9mm | − | 1個 |
FET | 2.5×2.9mm | − | 1個 |
部品手配や、部品の取り付けも楽にするため、チップ抵抗は、同じ抵抗値にしている。FETは、前回に紹介したRYC002N05(ローム製)がお勧めだ。低いゲート電圧でサイズも取り付けやすいためだ。これらの部品は全て通販で購入できる。
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