TDKは2014年5月、新たなボード/モジュールのフォームファクタ「M.2」に対応した形状の産業用SSDの製品化を発表した。メモリの高信頼、長寿命を実現する独自のフラッシュメモリコントローラICを搭載する。
TDKは2014年5月、「M.2スロット」に対応した22×42mmサイズの産業用SSD「SNG4Aシリーズ」を2014年8月から販売すると発表した。TDKでは、「信頼性が重視される産業用として、M.2に対応したSSDは国内メーカーとしては初だろう」としている。
M.2は、PCなどの拡張用ボード/モジュールの形状を定めたフォームファクタの新規格であり、従来のフォームファクタよりも小さいなどの特長を持つ(関連記事:組み込みSSDの最新動向 〜高速な新規格から耐環境性の強化まで〜)。
NAND型フラッシュメモリの長寿命化や高信頼化を実現するメモリコントローラICや、同ICを組み込んだ産業用フラッシュメモリストレージ製品を展開するTDKでは、「ノートPCなどの民生用途で今後、フォームファクタの主流になる」とM.2に注目。「将来的には、産業用途でもM.2の利用が拡大する」として、M.2に対応したSNG4Aシリーズを製品化した。
SNG4Aシリーズは、最新フラッシュメモリコントローラICである「GBDriver RS4」を搭載する。同ICは、読み出し速度180Mバイト/秒、書き込み速度130Mバイト/秒と高速性を備え、シリアルATA 3Gbpsに対応。メモリ寿命を延ばすための全メモリ領域(ブロック)の書き換え(消去)回数平準化機能(高度スタティック・ウェアレベリング・アルゴリズム)を実装する他、エラー発生率が上昇傾向にある最新の微細製造プロセスを用いたNANDメモリのMLC(Multiple Level Cell)品にも対応できる強固なエラー訂正機能などを搭載する。
SNG4Aシリーズは、このGBDriver RS4を搭載することで、産業用途で求められる性能、機能を備えつつ、M.2に対応した22×42mmという小型サイズで8Gバイトから64Gバイトまでの記憶容量の製品をそろえる予定だ。販売当初は、SLC(Single Level Cell)NANDメモリ採用品のみとなるが、「市場からの要求があれば、GBDriver RS4の特長を生かしたMLC NANDメモリ搭載品も提供する」(TDK)という。
TDKでは、2014年5月14〜16日に東京ビッグサイトで開催される「第17回 組込みシステム開発技術展(ESEC2014)」に出展し、SNG4Aシリーズを初公開する予定。同社では、「M.2は産業分野ではまだ普及していないが、1〜2年先には産業分野でも主流になるフォームファクタとして業界に先駆けてSNG4Aシリーズを製品化した。ESEC2014を通じて、M.2対応SSDを啓もうしたい」としている。
会期 | 2014年5月14日(水)〜16日(金) |
---|---|
時間 | 10:00〜18:00(10日(金)のみ17:00に終了) |
会場 | 東京ビッグサイト |
TDK ブースNo. | 西9-4 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.