FPGAはハードウェアをプログラムできるデバイスで機器の高性能化や小型化には欠かせなくなってきている。複数のFPGAが実装される基板も多くなった。今回は、重要部品となったFPGAに起因したと思われるトラブルと、その原因について詳しく調査を行ったので紹介する。
FPGAはハードウェアをプログラムできるデバイスで機器の高性能化や小型化には欠かせなくなってきている。複数のFPGAが実装される基板も多くなった。今回は、重要部品となったFPGAに起因したと思われるトラブルと、その原因について詳しく調査を行ったので紹介する。
トラブルが生じたのは、5年以上前に設計された1つのFPGAを搭載した基板だ。この基板は、5年以上に渡って目立った不良もなく、順調に生産が続けられていた。ところが、2013年10月ごろの出荷分から突如、「基板が立ち上がらない」という不良が出始めた。初期不良が発生した基板は、いずれも出荷検査時は正常に動作していたにもかかわらず、顧客の手元では、起動しないという不思議な状態だった。
そして、顧客から寄せられた不具合に関する情報は“いつもは基板に通電すると表示灯が点灯するが、表示が全く点灯せず、基板が全く動作しない”ということだった。また“一度立ち上がらないと、何度電源をON/OFFしても立ち上がらない”という情報も入った。出荷時には正常に動作していたのに、「そんなはずはない」と思いながら不良基板を送ってもらった。
不良基板を受け取って通電すると、この基板はなんと“正常”に立ち上がった。しかし、このまま“再現しませんでした”と顧客へ回答することはできない。何とか不具合を再現させるため、詳細な情報の提示を顧客へ依頼した。
顧客でも原因調査を進めており、2つの情報が入った。1つ目は“FPGAの電源にオシロスコープのプローブを当てると不具合が再現されやすい”、2つ目は“電源投入時のコンフィギュレーションの構成が途中で止まってしまう”という情報だった。
【顧客から寄せられた不具合情報】
どうも、これらの情報を総合すると、FPGAの起動時の電源の立ち上がりに原因がありそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.