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FRAM搭載の16ビットマイコン、停電時の即時ウェークアップが可能日本TI MSP430FR6972

日本テキサス・インスツルメンツは、FRAMを搭載した16ビットマイコン「MSP430FR6972」を発表した。アプリケーションが予期しない電源電力喪失時に、システム・ステートのリストア機能による即時ウェークアップを可能にする技術「Compute Through Power Loss (CTPL)」を搭載している。

» 2015年06月04日 14時45分 公開
[EDN Japan]

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2015年5月21日、64KBのFRAMを搭載した16ビットマイコン「MSP430FR6972」を発表した。動作周波数は16MHzで、電源電圧範囲は1.8〜3.6V。TIが新たに開発した「Compute Through Power Loss (CTPL)」を搭載していることが特長の1つである。

電源電力喪失時の即時ウェークアップ

 CTPLは、アプリケーションが予期できない電源電力喪失時に、システム・ステートのリストア機能による即時ウェークアップを可能にする技術である。MSP430FR6972をはじめとする「MSP430」FRAMマイコン製品ファミリに搭載し、コンテクストのセーブ/リストア動作を可能にした。

 CTPLを搭載したMSP430FR6972は、低消費電力のセグメントLCDコントローラ、ウィンドウ・コンパレータ付属の12ビットの差動入力A/Dコンバータ、256ビットのAESアクセラレータなどを内蔵している。その他の周辺機能として、静電容量方式タッチスクリーン対応の52本のGPIO、5本のタイマー、コンパレータ、RTC(リアルタイムクロック)カウンタ、SPI、UART、I2Cといったインタフェース類を統合した。これにより、システムコストを削減して、基板実装面積を縮小できる。

 100億回を超える書き込みサイクル耐久性によってデータ・ロギングにも使用できるため、無線によるモーター状態監視装置など、各種アプリケーションに対応するという。また、TIの環境発電向けIC「bq25570」や、ワイヤレスマイコン「CC2650」などと組み合わせることで、1個のコインセル電池で数十年にわたる動作が可能だとしている。

 MSP430FR6972および他のバージョンの製品は、既に量産出荷を開始していて、1000個購入時の単価は2.15米ドルから。

photo 「MSP430FR6972」の応用イメージ

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