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理想的なインターコネクト規格を探るオープンコンピューティング向けインターコネクト[後編](3/5 ページ)

» 2015年10月30日 13時00分 公開

Infiniband

 2014年中旬現在、Infinibandテクノロジは、規模のランキングにより、世界のトップスーパーコンピュータ500のほぼ半分のインターコネクトを占めています。Infinibandには、Open Fabrics Alliance(OFA)によって開発された自由に使用可能なソフトウェア対応など、多くの長所があります。Open Fabrics Enterprise Distribution(OFED)ソフトウェアスタックは、Infinibandおよび、iWARPやRDMA over Converged Ethernet(RoCE)に対応します。Infinibandは、多くのベンチマークで示されるように、レイテンシにおいて業界をリードしています。Infinibandと他のテクノロジを比較した多くの独立した調査では、Infinibandはレイテンシの面で優れており、多くのアプリケーションにおいて優れたパフォーマンスを発揮することが明らかになっています。

多くの用途で優れたパフォーマンスを発揮

 Infinibandは、メモリアドレスとペイロードコンテンツの独立したルーティングを使用するスイッチドテクノロジであり、これにより、ネットワークトポロジへの対応が可能になります。Infinibandプログラミングモデルは、メッセージングとリード/ライト命令に対応し、Ethernetのように、InfinibandがRDMA能力に対応することができます。実際に、Infiniband “verbs”ベースのプログラミングモデルと言えば、RDMAを指すようになっています。

 Infinibandは、短期的な輻輳が原因でパケットがドロップされないように、リンクレベルのフロー制御があります。Infinibandシステムモデルには、帯域幅割り当てを含む、接続管理の集中制御が含まれます。Infinibandには優れたトップの帯域幅オプション(14Gbps)もあります。Infinibandシステムは、高いグッドプットを実現するために、利用可能な実効帯域幅を効率的に使用できます。

 しかしながら、Infinibandテクノロジにはいくつかの欠点があります。Infinibandテクノロジはこれまで、PCIeを使用して、プロセッサに接続する外部NICデバイスに依存してきました。先ほど論じたように、これによって、Infinibandは組み込まれたインターコネクトテクノロジより大幅に電力効率が低くなり、レイテンシ低減の設計課題も増えています。PCIeはキャッシュコヒーレンシ命令に対応していないため、Infinibandを使用してノードサイズを拡張できません。

気になる将来

 InfinibandはEthernetと同じ高レイテンシのメカニズムを使用して、送信エラーから復旧します。重要なことですが、パケットは順番に伝送されない可能性があります。結論として、内部バスに対し、受け取ったInfinibandトランザクションを即座にマッピングすることができず、このため、InfinibandレイテンシとInfinibandトランザクションを処理するために必要な電力量が増加します。Infinibandは、バス拡張対応に適していません。

 Infinibandは、University of New Hampshire Interoperability Labs(UNH IOL)に相互運用性の試験施設があり、ここで現在2つのInfinibandデバイスベンダーをサポートしています。しかしながら、Infinibandテクノロジの将来的な開発は、唯一のシリコンサプライヤーであるMellanoxによって積極的にサポートされています。Mellanoxは、スイッチとNICシリコン、そしてこのシリコンを使用する一部の製品を担当しています。2007年の最初のリリース後、この記事がベースとしているInfinibandテクノロジについて公開仕様はありません。非公式の話はいろいろありますが、Infinibandはプロプライエタリなインターコネクトテクノロジの多くの特性を備えています。

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