前回に続いて、シーケンサの修理の様子をお伝えする。コンデンサの液漏れにより故障したシーケンサの電源部を修理したものの、CPUでの異常が残ってしまった。というわけで、今回は、CPU異常の原因をさぐっていこう。
今回はシーケンサの修理の続きを報告する。
前回は、シーケンサの電源基板に電解コンデンサの電解液が大量に漏れていたので基板をクリーニングして電解コンデンサを交換した。その後、AC100Vを通電してDC24Vの電圧がシーケンサの端子に正常に出力されるようになったのを確認したものの、CPU基板に、なぜかCPU異常の表示が出てしまった――。
そこで、今回はCPU基板を詳細に調査しCPU異常の原因を確認して、シーケンサの修理を完了させることができたので報告しよう。
シーケンサのCPU基板の写真を図1に示す。
図1ではシーケンサのトップカバーを外している。右側の白いコネクタの左側で点灯している緑のLEDが電源表示だ。電源表示の緑色LEDの3つ上の赤いLEDが点灯している。
シーケンサの取扱説明書でLED表示の説明を確認した。図2に示す。
図2から赤色LEDの点灯はCPU異常(CPU-E)を示す表示だった。CPU-Eとはどういう意味かを取扱説明書で確認した。説明を図3に示す。
図3のようにCPU-Eが点灯する意味が記載されていたが、内容からウォッチドッグタイマーエラーと思われた。CPU-Eを表示している赤いLEDの接続先を基板のパターンで追いかけ接続先を確認した。その結果はワンチップマイコンのP36/SCK端子に接続されていた。この端子がLowになるとCPU-EのLEDが点灯するようになっていた。またオシロスコープでCPUのアドレスバスを確認したら規則的な動きをしていた。どうもCPUの暴走ではなく何らかの信号待ちになっていると思われた。電源基板から信号が来ていないのではないだろうか。
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