マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコンの周辺部品であるトランジスタやMOSFETなどのICの選び方」です。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初級者から多く寄せられる質問です。
マイコンを使ったシステムを開発予定ですが、周辺回路に使うMOSFETやトランジスタなどのICはどのようなポイントに注意して選択、設計すればよいのでしょうか?
トランジスタやMOSFETなどのICと言っても、多種多様です。トランジスタやMOSFET単体をいくつか集めて1つのパッケージに入れたトランジスタアレイや、複数組み合わせて回路を構成し、使用目的を絞った汎用IC(電源用IC、モータドライバ、LEDドライバ、オペアンプ/コンパレータなど)があります。したがって、一概にこう設計すれば良いという解はありません。全ての場合について解説するには記事のスペースが足りませんので、今回はトランジスタやMOSFETなどをスイッチング素子として使う、最も基本的なケースで説明します。
トランジスタにはNPN型とPNP型があります。またMOSFETにはN型とP型とあります。スイッチング素子として使う場合、負荷よりも電源側に付けるか、接地(GND)側に付けるかの違いや、ON/OFFさせるときの電圧/電流仕様の違いなどに注意が必要です。マイコンの汎用IOからみるとMOSFETは容量性の負荷に、トランジスタは抵抗性の負荷と見なすことができます。
次ページからの解説編では、汎用IOを使ってこれらの負荷をドライブするときのポイントを、汎用IOとトランジスタやMOSFETの電気的特性に視点を置いて詳しく解説します。
なお、トランジスタとMOSFETの詳細については以下の記事をご参照ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.