ローデ・シュワルツ・ジャパンは、CISPR16-1-1に完全適合したEMIテストレシーバー「R&S ESW」を発売した。タイムドメインスキャンやノッチフィルター搭載によって、高速で信頼性の高いEMI認定測定に貢献するという。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2016年2月、CISPR16-1-1に完全適合したEMIテストレシーバー「R&S ESW」を発売すると発表した。
R&S ESWは、モジュール、コンポーネント、デバイス、システムや設備の認証試験をCISPR、FCC、ミリタリー規格に準拠して行うことができる。また、CISPR16-1-1に完全適合した高速FFTによるタイムドメインスキャンを標準搭載しており、CISPRディテクタを2種類用いた並列測定もできるという。スペクトログラム機能、リアルタイムスペクトラム解析、IF解析のような各種測定モードを使用可能だ。
スペクトログラム機能は、解析したスペクトル対時間表示を途切れることなく表示でき、急変化する干渉信号を可視化する。リアルタイムスペクトラム解析は80MHzのリアルタイム帯域幅を持ち、残光表示モードや周波数マスクトリガー機能を組み合わせて使用すれば、主要な信号に隠れたノイズ信号を簡単に捕捉できるとした。
R&S ESWは、150kHz、2MHzのハイパスフィルター、無線伝送技術に使用される2.4GHzから5.8GHzのライセンスフリーISMバンド用ノッチフィルターを設定できる。
ISMバンドを使用した強いキャリア信号は、EMI電界強度測定時に機器のダイナミックレンジに深刻な影響を与えるが、ノッチフィルターの使用によってISMバンド外のマイナーな干渉信号を検出しないという。「ISMバンドに使えるノッチフィルターを搭載したことで、信頼性の高いEMI認定測定が可能になった」(同社)とする。
タッチスクリーン操作ができる直感的なGUIとフラットメニュー構造を採用し、マルチビュー機能によって同時に全測定モードを観測できる。複雑な測定プロセスを自動化できるオートテスト機能も搭載。QP/CISPR-AVG/RMS AVG検波を使用する事前測定、ピークサーチ、最終測定のためのパラメータや独立した基準を提示できる。試験レポートジェネレーターは、認証に必要なパラメータを直接ドキュメントにまとめられる。
さらに、さまざまな試験パラメータを割り当てられるロータリーノブを2つ搭載。測定中の帯域幅や測定時間、アッテネーターのような特定パラメータの調整が素早くでき、パラメータを変化させた場合の試験結果を迅速に比較することができる。
R&S ESWのラインアップは、周波数帯域2Hz〜8GHz/26.5GHz/44GHzの3種。本体価格は1030万2000円(税別)で、販売台数として年間50台を見込んでいるという。
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