前回、不具合を特定した“不良シーケンサ”の修理に取り掛かる。状態があまりにも悪いので、シーケンサとして使うまで修理することはできなさそうだが、修理屋の意地で、再び動くところまで頑張りたい。
前回、詳細を紹介したが、リチウム電池の+端子から液漏れし電池の直下にあるCPU基板がボロボロになっていた。このCPU基板は製品としては使えないが、シーケンサのソフトを勉強するためのデバッグ用に再生できないかと思って修理を再開した。実装された部品を確認したらダイオードのリードが折れていた。
その他にもディスクリート部品のリードが腐食し、SMT(表面実装)部品のリードフレームが白くなっていた。ダイオードを交換し、基板の表面を金属ブラシで清掃した。CPU基板を図1に示す。リードが折れたダイオードを赤円で囲んだ。
前回の図5でリードや金属部品の表面が腐食し、鉄やアルミは白くなり、銅は黒くなっていた。左上のコネクターのリードは洗浄したが表面は黒いままだ。電気的な動作を確認するためにCPU基板に表面カバーを付けずに、CPU基板をI/O基板に取り付け、AC100Vを通電した。CPU異常の赤LEDが点灯したが、すぐに消灯した。
「あっこれならCPU基板は何とか動きそうだ」
CPU基板の背面の金属カバーの赤錆(さび)を除去し、はんだ面に実装した。図2に示す。
図2の金属カバーの赤錆の除去は、ひたすら研磨して表面の赤錆を取るしかなかった。しばらく磨いた結果、図2の程度まで錆を取り除けた。
そして、ようやくCPU基板に表面のカバーを取り付けてI/O基板に実装し、AC100Vを通電したら、赤LEDが再点灯してしまった。CPU異常のようだ。
「あれ、CPU基板をカバーなしで動かした時は正常だったのに――」
I/O基板のコネクターにCPU基板を単独で付けたときと、プラスチックのケースに入れて取り付けたときの違いは何だろう――。
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