前回は、海外を中心に普及が進む無線規格「Z-Wave」の国内動向を中心に紹介した。今回からは数回に分けて、Z-Waveがなぜ相互互換性を実現できているのかについて、ひもといていく。
【連載「IoT時代の無線規格を知る【Z-Wave編】」バックナンバー一覧】
前回、IoT(モノのインターネット)の実現に求められるネットワーク技術の1つとして、海外を中心に普及が進む無線規格「Z-Wave」の国内動向について紹介した。今回からは、Z-Waveがなぜ相互互換性を実現できているのかについて、ひもといていく。
Z-Waveは、RFの物理層、MAC層、トランスファー層、ルーティング層が厳格に規定されることにより、相互互換性を実現している。RFの物理層、MAC層は国際標準規格「ITU G.9959」に準拠。日本では、電波産業会の「ARIB STB-T108」も準拠する。
項目 | - | |
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周波数帯 | 865.2M〜926MHz | |
チャンネル数 | 3個 | |
チャンネル幅 | 200kHz | |
変調方式 | FSK、GFSK | |
送信出力 | 1mW(プログラマブル:−24.5〜+6.5dBm) | |
伝送速度 | 9.6k、40k、100kビット/秒(bps) ※日本は100Kbpsのみ | |
受信構成 | ローIF方式 | |
受信感度 | −92dBm@100kbps | |
※9.6k、40Kbpsの伝送ではFSKを利用し、100KbpsにおいてはGFSKを利用している。 |
日本では、3チャンネル(922.5MHz/923.9MHz/926.3MHz)で、100Kbps GFSKのみの対応となっている。2012年7月から使用可能になったサブ1GHz帯において、過去の製品が存在せず、下位互換性を考慮する必要がないからだ。
エンコーディングは、NRZ(Non Return Zero)を採用している。送信元と受信先の同期をあわせるため、0-1-0-1-0-1-0-1のシーケンスを10回繰り返す。
1パケットの構造としては、プリアンブルが10バイト+フレームスタートが1バイト+ペイロード(データ部分)が最大64バイト+エンドフレームが1バイトとなり、最大で76バイトとなる。100Kbpsの伝送の場合、10ミリ秒以下で通信されることになる。
また、国内向け方式の場合、3チャンネルを動的に切り替える機能をもうけている。プリアンブル送信前にキャリアセンスを行い、空いているチャンネルを使って伝達を行う。
ワイヤレスネットワークは、正しい送信元から正しい受信先に伝送がなされたかを成立させるための仕組みが必要になる。Z-Waveでは、Home IDとNode IDを組み合わせて、この仕組みを実現している。Home IDとNode IDは、MACヘッダに含まれる。
任意のメッシュネットワークは、Home ID(32ビット=4バイト)で管理され、ネットワーク内の端末(ノードと呼ぶ)は、Node ID(8ビット=1バイト)で特定される。1つのHome IDに、232個までのNode IDを管理可能だ。
また、Z-Wave機器は自身のHome ID以外のデータは無視するように設計されている。
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