MOSFETの実効出力静電容量の測定にはいくつか方法があります。その1つは、定電圧を使用して出力静電容量を充電し、経時変化の実効値を求めることです。2番目の方法は、定電流で出力静電容量を充電することです。3番目の方法では、静電容量対電圧曲線を積分して、経時変化およびエネルギー関連の実効出力静電容量を求めることができます。
経時変化の実効静電容量を測定する1つの方法が、図3に示すトーテムポール・ドライバーです。このドライバーは、オシロスコープでドレイン電圧をモニターしているときに、100kΩの抵抗を通じてMOSFETを定格ドレイン電圧まで充電します。定格BVDSSの80%に到達するまでのドレイン立ち上がり時間trが測定されます。このtrを抵抗値と併用し、式5※参考文献3)を用いて実効静電容量を計算できます。
Coss_eff(tr)を解くと、次のようになります。
エネルギー関連の実効出力静電容量を測定するには、図4の回路に従って、MOSFETを定電流で充電する必要があります。リレーがターンオンするとテストが始まります。MOSFETの出力静電容量を充電するのに要する時間を測定して、次式に適用します。
ここで、dVは80% BVDSS、IはMOSFETを充電するのに使用される電流、dtはテスターで測定した時間です。Coss_eff(tr)を解くと、次のようになります。
経時変化およびエネルギー関連の静電容量を測定するのに使用できる別の方法は、通常MOSFETのデータシートに記載されている静電容量対電圧曲線を用いることです。この方法は、特殊な装置を開発することなく、標準のLCRメーターが1個あれば実施できるので有利です。測定した静電容量曲線に一致するように、電圧依存の静電容量関数を作成する必要があります。
静電容量対電圧の関数が分かれば、式10を用いて経時変化の実効静電容量を求められます。ここで、C(V)は電圧依存の静電容量関数です。
エネルギーに関連する実効静電容量を求めるには、式11※参考文献5)に同じ電圧依存の静電容量関数を使用します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.