図5に示す平均モデルでは、モデルに印加されている電圧はVinです。この電圧はdTswの期間に1次側インダクタンスLpをバイアスします。現実的には、第1回でみたように漏れインダクタンスを考慮すると、電圧は漏れインダクタンスと1次側インダクタンスの間で分割され、次のように電圧分割係数Divを形成します。
このモデルに対する最初の変形は、VinにVin×Divを代入することです。2番目の変形には、デューティ比dが関係します。第1回では、デューティ比が漏れインダクタンス磁化時間d1Tswに影響されることを確認しました。平均モデルに適用される実効デューティ比は、この事実を反映する必要があり、次式で表すことができます。
d1は漏れインダクタンス値(2次側ダイオード電圧降下Vfを無視)と谷点電流Ivに依存します。
谷点電流を計算するために図7を再確認できます。谷点電流が実際は、平均電流Icから1次側インダクタンスリップルの半分を引いた値であることが分かります。
リップル電流は、Lpの直列接続に対してVinを印加した結果生じた変位で、tonつまりdTswの期間におけるlleakに相当します。したがって、谷点電流は次のようになります。
ピーク電流は同様の方法で得られますが、上記のようにインダクタリップルの半分を減算するのではなく、Icに対してインダクターのリップルの半分を加算する方法で求めます。
クランピングネットワーク内を循環する電流は、漏れインダクタンスリセット時間d2Tswにわたって持続します。もちろん、この時間はlleakに依存しますが、反射されたVoutとクランプ電圧Vclpにも依存します。第1回から対応するデューティ比を次のように決定しました。
図9はオン時間中にさまざまな電流が役割を演じることを示しています。下端はパワースイッチ電流で、それより上は漏れインダクタンスを流れる電流です。スイッチがターンオフすると、ほぼその直後に(Clumpの充電時間を無視)電流はクランピングネットワークに流れを変え、急速にゼロに減少します。この時点で漏れインダクタンスはリセットされ、2次側電流はピークに達します。
したがって、クランプダイオード内を循環する平均電流は単に、小さい三角形の面積をスイッチングサイクル全体で平均した値に等しくなります。
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