絶縁型DC-DCコンバーターでの電力安定化について、そのトポロジーごとに解説します。今回、取り上げるのは、フライバックとフォワードのコンバータートポロジーです。
絶縁型DC-DCコンバーターファミリーには多様なトポロジーがありますが、モデムのDC-DCコンバーターに適用できるのはフライバック、フォワード、プッシュプルの3つだけです。今回の記事では、フライバックとフォワードのコンバータートポロジーについて解説し、プッシュプルのコンバータートポロジーは次回の記事で説明します。
これらのタイプの絶縁型コンバーターでは、入力から出力へのエネルギー伝送はトランスを介して行われます。非絶縁型コンバーターと同じように、PWMコントローラーによってレギュレーションが行われた後、帰還ループ内の出力電圧をモニターすることによって同じようにレギュレーションが行われますが、絶縁ステージを介します。最適な部品が同じように使われます。
トランスベースの絶縁型コンバーターが、前に説明した非絶縁型コンバーターと異なる点は他にもあります。絶縁型コンバーターでは降圧、昇圧、または昇降圧の機能をトランスの巻数比によって実現できるので、PWMドライバーは入力電圧と出力負荷の要件のみに応じて、入力から出力にエネルギーを伝送するシンプルなエネルギーパケットコントローラーとして動作します。
トランスを使用することの短所は、1次巻線から2次巻線へのエネルギー伝送によって追加損失が生じることです。そのため、降圧レギュレーターが97%の変換効率を達成可能なのに対し、トランスベースのコンバーターは90%を超えるのに苦戦します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.