1秒に1回通知するモートの標準的な消費電力は、測定回路の場合は5μA未満になり、ワイヤレスの場合は40μAになることがあります。実際には、消費電力は、シグナルチェーンが読み取り値を受け取る頻度、ネットワーク内でのノードの構成方法などのさまざまな要因によって変わります。
回路例は、2個のアルカリ一次バッテリーセルから給電されます。バッテリー入力電圧は、クーロンカウンターを内蔵する昇降圧レギュレーターによって安定化されます。このデバイスは、1.8V〜5.5Vの範囲内の入力電源から3.3V出力を供給できます。デューティサイクルで制御されたワイヤレスアプリケーションの負荷電流は、無線がアクティブモードまたはスリープモードのいずれであるかに応じて、1μAから20mAまで変化する場合があります。この昇降圧レギュレーターは、無負荷時の静止電流がわずか680nAであるため、無線およびシグナルチェーンがスリープモードのときに、回路全体の消費電力をきわめて低く抑えます。それでもこのデバイスは、50mAという電流を出力することができ、無線の送受信時に、さまざまなシグナルチェーン回路に十分な電力を供給します。
信頼性の高いワイヤレスセンサーの配置では、バッテリー切れになることは許されません。同時に、あまり頻繁にバッテリーを交換すると、不要なコストとダウンタイムが発生します。結論として、高精度のバッテリードレイン回路が必要になります。このレギュレーターは、スイッチングする場合、バッテリーから消費した全電荷を必ず記録します。この情報は、I2Cインタフェースを使用して読み出すことができ、バッテリー交換のタイミングの予測因子として使用できます。
こうしたデバイスを組み合わせることによって、正確なワイヤレス電流検出回路の設計が可能になるでしょう。
【著者:Kris Lokere氏/Linear Technology(=現在はAnalog Devicesの一部)シグナル・コンディショニング製品 戦略的アプリケーション・マネージャ】
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