車載PoC回路に対応する電源ライン用インダクター : 村田製作所 LQW32FTシリーズ
村田製作所は、高速車載インタフェースPoC(Power Over Coax)対応の電源ライン用インダクター「LQW32FT」シリーズを発表した。3225サイズ(3.2×2.5mm)でインダクタンス47μHを可能にしている。
村田製作所は2017年12月、高速車載インタフェースPoC(Power over Coax)対応の電源ライン用インダクター「LQW32FT」シリーズを発表した。3225サイズ(3.2×2.5mm)でインダクタンス47μHを可能にしている。
電源ライン用インダクター「LQW32FT」シリーズ
車載アプリケーションのSerDes(シリアライザ/デシリアライザ)機器では、1本の同軸ケーブルで車載カメラの映像データ伝送と電力伝送を行うPoCの適用が進んでいる。これまでPoCでは、広帯域で高インピーダンスを維持するため、大インダクタンスと小インダクタンスの複数のインダクターを使う必要があった。
LQW32FTシリーズは、広帯域で高インピーダンスという特徴を持ち、従来は複数個必要だったインダクターを1つに置き換えることができる。これにより、システム全体の小型化、省スペース化、トータル低直流抵抗化につながるという。
インダクタンスは47μHで、インダクタンス偏差は±20%、インダクタンス測定周波数は1MHz。定格電流は、インダクタンス変化に基づく場合(Isat)が300mA、温度上昇に基づく場合(Itemp)は周囲温度85℃で500mA、125℃で100mAとなる。
直流抵抗は最大0.9Ω、自己共振周波数は30MHz以上。−40〜125℃の使用温度範囲に対応するため、車載回路に使用できる。既に量産を開始しており、信号の高速化に対応したシリーズも今後提供する予定だ。
広帯域で高インピーダンスを確保する車載PoC用インダクター
TDKは、車載電子部品の品質規格AEC-Q200に準拠した車載PoC(Power over Coax)用インダクター「ADL3225V」シリーズを開発した。1M〜1000MHzの広帯域で高いインピーダンスを確保し、信号ラインと電源ラインを分離する。
直流抵抗を約30%低減した電源回路用インダクター
TDKは、低損失で大電流化を実現した電源回路用薄膜インダクター「TFM160808ALCシリーズ」を開発した。新しい金属磁性材料と、独自の薄膜パターン技術を採用したことで、0.47μHの従来品と比較して直流抵抗を約30%低減。2017年1月から量産を開始している。
車載向け電源回路用インダクター、新たに3種追加
TDKは2016年9月27日、車載向け電源回路用のパワーインダクター「CLF-NI-Dシリーズ」で、新たに3種類のラインアップを拡大すると発表した。2016年10月から量産を開始するという。
150℃まで動作保証した車載向け薄膜インダクター
TDKは、車載用電源系薄膜インダクター「TFM201610ALMA(インダクタンス値2.2uH)」シリーズを開発したと発表した。動作温度保証範囲は−55〜150℃を実現し、ECU(Electronic Control Unit)に求められる高温環境化での使用に耐えることができるという。
コイルの基本、選択のポイント
コイル(インダクタ)は、簡単に表現すれば線材が巻いてあるだけのものだとも言える。しかし、実際には巻き線の材質や、線径、巻き方、磁性材料、構造によって異なる特徴を持ち、用途に応じたさまざまな製品が用意されている。今回は、まずこのコイルの特性項目とコイルの種類について詳しく説明する。その上で、コイルの代表的な用途と、各用途においてどのようなものを選択すればよいのか、そのポイントを紹介する。
インダクタンスの本質
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