広帯域で高インピーダンスを確保する車載PoC用インダクター:TDK ADL3225Vシリーズ
TDKは、車載電子部品の品質規格AEC-Q200に準拠した車載PoC(Power over Coax)用インダクター「ADL3225V」シリーズを開発した。1M〜1000MHzの広帯域で高いインピーダンスを確保し、信号ラインと電源ラインを分離する。
TDKは2017年4月、車載電子部品の品質規格AEC-Q200に準拠した車載PoC(Power over Coax)用インダクター「ADL3225V」シリーズを開発したと発表した。広帯域で高いインピーダンスを確保し、信号ラインと電源ラインを分離する。
複数の電子制御ユニット(ECU)を結ぶ車載インタフェースでは、双方向通信に車載イーサネット、カメラからメイン基板に映像信号を送る一方向の通信に小振幅差動信号方式(LVDS)が導入されている。LVDS伝送では、1本の同軸ケーブルで信号伝送と電源供給を行うPoC化が進んでおり、電源と信号の分岐点で高いインピーダンスが求められている。
車載PoC用インダクター「ADL3225V」シリーズ
ADL3225Vシリーズは、1M〜1000MHzの帯域で高いインピーダンスを確保し、良好な直流重畳特性を備えている。インダクタンスは47μH±20%で、直流抵抗は最大0.9Ω。定格電流は、インダクタンス変化率に基づく場合(Isat)が300mA、温度上昇に基づく場合(Itemp)が500mAとなる。
サイズは3.2×2.5×2.4mmで、−40〜105℃の温度範囲で動作する。同月より生産を開始し、月産30万個の予定(当初)。サンプル価格は30円(税別)となっている。
- ノイズ除去と高音質を両立する音声ライン用フィルター
TDKの「MAF1005Gシリーズ」は、スマートフォンなどのオーディオラインに向けたノイズ除去フィルターだ。1005サイズと小型ながら、音質を劣化させずにノイズを除去することが可能となっている。さらに、セルラー帯(700MHz〜2.5GHz)におけるスプリアスレベルも、抑制できる。
- インダクタンスの本質
- 車載向け電源回路用インダクター、新たに3種追加
TDKは2016年9月27日、車載向け電源回路用のパワーインダクター「CLF-NI-Dシリーズ」で、新たに3種類のラインアップを拡大すると発表した。2016年10月から量産を開始するという。
- 漏れインダクタンスを使用したフライバックコンバーター(3) 小信号モデル化
この連載の最終回にあたる第3回では、電圧モードで動作し漏れインダクタンスの影響を受けるCCMフライバックコンバーターの小信号応答について検討します。第2回で紹介した更新後の大信号モデルから、最も簡潔なリニアバージョンを確立する目標に向けてステップ形式で作業を進め、徐々に簡略化した小信号回路図を導き出します。この最終的な回路に基づいて、制御側から出力側への伝達関数を抽出し、漏れインダクタンスが伝達関数の分母である品質係数にどのような影響を及ぼすかを示します。
- 直流抵抗を約30%低減した電源回路用インダクター
TDKは、低損失で大電流化を実現した電源回路用薄膜インダクター「TFM160808ALCシリーズ」を開発した。新しい金属磁性材料と、独自の薄膜パターン技術を採用したことで、0.47μHの従来品と比較して直流抵抗を約30%低減。2017年1月から量産を開始している。
- コイルの基本、選択のポイント
コイル(インダクタ)は、簡単に表現すれば線材が巻いてあるだけのものだとも言える。しかし、実際には巻き線の材質や、線径、巻き方、磁性材料、構造によって異なる特徴を持ち、用途に応じたさまざまな製品が用意されている。今回は、まずこのコイルの特性項目とコイルの種類について詳しく説明する。その上で、コイルの代表的な用途と、各用途においてどのようなものを選択すればよいのか、そのポイントを紹介する。
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