消費電力を従来比60%低減した32ビットマイコン:日本TI F28004xファミリー
日本テキサス・インスツルメンツは、同社の32ビットマイクロコントローラー「C2000 Piccolo」に、SoC(System on Chip)製品「F28004x」ファミリーを追加した。従来製品に比べ、動作時消費電力を60%低減している。
日本テキサス・インスツルメンツは2018年1月、同社の32ビットマイクロコントローラー「C2000 Piccolo」に、SoC(System on Chip)製品「F28004x」ファミリーを追加したと発表した。1000個購入時の単価は4.85米ドルで、64ピンLQFPパッケージで供給される。
「F28004x」ファミリーのイメージ
電気自動車(EV)のオンボードチャージャーやモーター制御用インバーター、産業用電源など、コスト重視の電力制御アプリケーションに対して最適化した。従来のPiccoloデバイスに比べ、動作時消費電力を60%低減。また、オプションのオンチップDC-DCコンバーターにより、動作時消費電力を最大70%削減する。
複数の入出力と内部リソースを統合しており、制御および保護のメカニズムをサポートする。また、同社の第4世代高分解能パルス幅変調(PWM)タイマーテクノロジーにより、高度な制御手法の実装を可能とした。
内蔵のアナログ機能では、ポストプロセッシング用ハードウェアが付属した12ビットA-Dコンバーター、同期機能やプログラマブルゲインアンプ、コンパレーター、D-Aコンバーターサブシステムコンパレーター、シグマデルタフィルターインタフェースをサポートしている。
組み込みのリアルタイム解析、診断ユニットを搭載し、デバッグ機能を強化する。他に、絶縁障壁間の通信スループットを向上する超高速シリアルインタフェース、ブートモードのピン数を削減できる複数の柔軟なブートモードなど、新しい機能を提供する。
既存のPiccoloマイコンとはコード互換性を備えた。同社では、評価キット「F280049」も提供している。
- 最大1.5Mバイトのフラッシュを内蔵したマイコン
STマイクロエレクトロニクスは、最大1.5Mバイトのフラッシュメモリと320Kバイトのメモリを内蔵した、32ビットマイコン「STM32F413」「STM32F423」を発表した。
- 大容量メモリを搭載した低消費電力マイコン
STマイクロエレクトロニクスは、ARM Cortex-Mベースのマイコン「STM32」ファミリーの最新製品として、120MHz動作時の性能を150DMIPS(233 ULPMark-CP)まで向上させた「STM32L4+」を発表した。
- 電源のマルチタスク処理を強化したマイコン
サンケン電気は2017年2月、デジタル制御電源向けマイコン「MD6603」を発表した。独自のマルチタスク処理用プロセッサ「EPU(Event Processing Unit)」を内蔵し、デジタル制御電源に必要な複雑なリアルタイム処理を低遅延で実行できるという。
- PDMとPCMの変換フィルター内蔵32ビットマイコン
STマイクロエレクトロニクスは、低消費電力の32ビットマイコン「STM32L45X」を発表した。PDMとPCMの変換を可能にするデジタルフィルター「DFSDM(Digital Filter for Sigma-Delta Modulators)」を内蔵している。
- MCUとMPUの違いって何?
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「MCUとMPUの違いって何?」です。
- マイコンのI/Oポート1個でバーグラフを制御
デジタルで数値表示を行う計器類に、アナログ形式の補助ディスプレイとしてLEDバーグラフを用いることがある。複数個のLEDによってバーグラフ表示を行うとすると複数のI/Oポートが必要となり、使用可能なマイクロコントローラーの種類が制限されてしまう。そこで、バーグラフを1個のI/Oポートで駆動する回路を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.