LED照明の普及が進んでいる中で、LED照明の電源に求められる要素とはどのようなものかを考察します。
照明は私たちにとって重要なもの――。
この事実は、米国において、家庭での衣類の洗濯と乾燥、コンピュータ、料理に使用される全エネルギー(合計1290億kWh=総消費量の9%)と同量のエネルギーを家庭の照明に消費しているという推定値からも明らかです。
しかし、白熱電球は極端に効率が悪く、光に変換されて出力されるエネルギーはわずか5%前後で、残りは熱になるため、エネルギーの大部分が浪費されてしまいます。効率が50%に近いLED照明技術に基づく高効率のソリューションを導入することにより、2030年までに照明に使用される電力を約40%削減できると見込まれています。
オフィス、工場、公共施設でのエネルギー消費を削減し、照明設備と構成を、中電力および大電力アプリケーションの実際の要件に厳密に合わせるための手段が「スマートLED照明」です。
LED価格の低下は普及拡大の鍵を握りますが、従来型照明の非効率性や無駄が引き起こす環境への影響が広く認識されているため、政府が導入する待機電力と効率に関する規制は一段と厳しいものになっています。
LED照明は消費電力が少なく、電力を熱ではなく光として出力する点で、白熱電球に対して根本的に改善されています。しかし、現在ではLED照明技術と革新的なドライバソリューションを組み合わせて規制要件を満たし、効果的な電力管理や調光などの機能の提供が重要となっています。
調査会社Research and Marketsによると、新築着工数の増加はLED照明の成長にとって重要な役割を果たしており、新築需要がLED照明市場の大半を占めていますが、既存施設の改修も重要な要因です。実際のところ、同社は2023年までは改修が最大の成長分野と考えています。
LED照明市場で最大規模を誇る用途は屋内照明(住宅、工場、公共の建物、オフィスを含む)ですが、地方自治体が視認性の改善と管理コストの抑制を目指して、道路の照明改善に力を入れているため、屋外照明が最も成長著しい分野となっています。
TrendForceの一部門であるLEDinsideは、2017年にはLED照明の普及率が52%に達し、LED照明市場は331億米ドルになると予測していました。LEDinsideによると、LED照明は欧州では全照明の23%を占め、どの地域よりも高い割合となっています。米国と中国がそれぞれ2位と3位でそれに続き、地域としてはアジア太平洋が最も成長率が高くなると予想されています。
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